屯倉神社 (野洲市屯倉)


近江国野洲郡
滋賀県野洲市屯倉2012
(P有)

■祭神
日本武尊
大己貴命


「野洲川」下流、琵琶湖に注がれる前の広大な平野部に鎮座する社。
◎創建については、社伝に「欽明天皇十一年に勧請された」とあるのみでそれ以外は示されておらず不明。以下は自身の推量から。
◎「屯倉」とは一般に「ヤマト王権の直轄地」のこと。長い時代に渡り全国に設置されています。近江国においては、安閑天皇二年(535年)に「葦浦屯倉」が設置されたことが紀に見えます。これが当地周辺であったということ。
◎この「葦浦屯倉」は当地を支配した安国造が関与したと思われます。野洲郡(やすのこほり)の地名由来となった(あるいは地名が氏族由来となったか)氏族。氏神は建部大社、近淡海之安値(ちかつあふみのやすのあたひ)とも。日子坐王が天之御影神の娘である息長水依姫を娶って生まれた、水穂真若王を祖とする氏族。御上神社創建にも関わっていると思われます。
◎記にはこの安国造の祖の一柱でもある意冨多牟和気(オホタムワケ)の娘である兩道入姫皇女(フタヂイリヒメノミコ、布多遅比売)が、日本武尊の妃になったとあります。当社にて祀られる所以はこのことと思います。