☆真名井の清水 (舞鶴市七日市)



丹後国加佐郡
京都府舞鶴市字七日市
(詳細住所不明、アクセスは下部写真参照)
(土地所有者に許可頂ければ停め置きできるかも)



ここがおそらくは弥生時代の、丹後国の創世記に関わる大変重要な史跡であろうかと。まだほとんど世間には知られていません。

ついに見つけ出しました!

南北に走るJR舞鶴線にほど近い田畑の真ん中にある史跡。

「丹後国風土記」残闕に、おそらく当地のことであろう記述が見えます。

「豊宇気大神の教えに依り伊去奈子嶽に天降った天村雲命が、豊宇気大神を祀ろうとしたが、泥水で神饌を炊くことができなかった」

そこで「ここは豊宇気大神の坐します国であるから、清地を定めて大神を斎い奉らなければならないと言って、母の天道姫命(天道日女命)が子の天香語山命に矢を授けた。そして矢を放ち留まったところが清き地である大神の神託があった。その矢は矢原山に到ったので、神籬を立てて豊宇気大神を遷し墾田を定めた(大意)」とあります。

これは「式内社 笶原神社」(舞鶴市紺屋町の笶原神社と思われる)に豊受大神の分霊を祀ったという説話。

続けて、「巽(南東)の方向三里(300歩×2=600mか)ばかりに霊泉が湧き出ており、その井を眞名井と言う」

おそらく当地の史跡のこと。

ここまでを含めて境内という認識でいいかと思います。現在は市街地ですが。

笶原神社からは南南東1.5kmほど離れているのが気になります。
「里」の単位の認識違いでしょうか。時代により大幅に長さが異なるらしいので。

残闕には「その味は甘露の如しで万病を癒す霊機がある」と。

「真名井」とは「マナ」の「井」のことなのでしょうね。
日本ではいつの頃から使われていた言葉なのでしょうか?縄文時代以前から?

もちろん想像、確定しているのは弥生時代以降まで。

残闕の記述を上げておきます。
「笠水 一名真名井 白雲山の近郊に在る 潔清いこと麗しい鏡の如し けだし是は豊宇気大神の降臨に当たり●●涌き出た霊泉なり その深さは三尺ばかりその廻りは百十二歩 炎旱に乾かず長雨にも溢れない増減を見ない その味は甘露の如しで万病を癒す霊機がある」と。
さらに続けて「傍らに二つの祠有り 東は伊加里姫命或いは豊水富神と称す 西は笠水神即ち笠水彦神・笠水日女の二神 是即ち海部直等の斎祭る祖神である」と。

この傍らの祠というのが笠水神社とされます。1kmほど北ですが(下部にGoogle Mapをスクショしたものを掲載しておきます)

遷座されている可能性もあれば、これほど由緒のある社なら境内は1kmほどあったとしても不思議ではありませんし。

笠水彦命は彦火明命四世孫。
伊加里姫命は神武東征時に大和国吉野郡で出会った井氷鹿(イヒカ)のこと。大和国葛下郡の長尾神社でも祀られています。


場所を教えて頂き、立ち入り許可を頂いた(お家の裏の畑の中だった)おばあちゃんに伺うと、

「何でか知らんけど、コポコポ湧水が出とって濁らんし、枯れることがあらしまへんえ~」と。

写真の通り澄み渡り、水底までくっきりと見えます。
平地にも関わらず普通では有り得ないもの。世にも稀有な霊地だったのです。


笠水神社と「真名井の清水」

国道27号線「城南中学校前」交差点(角にファミマがある)を東へ。踏切を越えて30mほど進むと左折し北上(赤矢印で示した畦道)

赤矢印がこの畦道。

突き当たりまで200mほど進むと左手にこのようなお家。ちょうどこの裏手にあります。

私有地なので進入許可が必要。たまたまおばあちゃんが表で草引きをされていて、許可を頂けました。