高山神社 (春日奥山五社)
(こうせんじんじゃ)


大和国添上郡
奈良市春日野町(「春日山原始林」内)
(登拝、アクセス記事は→こちら)

■祭神
春日四座
若宮神
水谷神


春日大社の関連社。「春日山原始林」山中、標高400m辺りの高所に鎮座します。
◎通常の神社では摂末社などと呼ばれますが、「春日奥山五社」という扱い。春日大社と別殿の若宮神社があり、その関連社として筆頭が「中社」(通常の神社では「摂社」)、次に「春日奥山五社」、そして末社という序列であろうと思われます。
◎「春日奥山五社」は鳴雷神社、高山神社(当社)、神野神社、上水谷神社、大神神社という序列。当社以外はすべて禁足地内に鎮座しており、特別な許可なくして拝することは叶いません。なお中世の頃には奥山にもっと数多くの神社が鎮座していたらしく、明治の合祀政策を含めて長い歴史のうちに統廃合されたようです。
◎鎮座する地は「能登川」と「水谷川」の水源。春日四座と若宮神を除き水神系の神が祀られます。また「奥山五社」のうち由緒がほとんど不明である大神神社を除き、他四社はすべて水神系の雨乞いの神。いずれも水源辺りに鎮座しているようです。大和国の水不足の深刻さが窺えます。
◎社前には「石船」があるらしく、正和四年(1315年)に興福寺僧侶が雨乞いをしたとのこと(探したものの見当たらず、最下部に上げる写真かもしれません)。上水谷神社も同様に行われ、また石船もあるらしく、そちらは文和二年(1353年)のこと。
◎「延詮記」という書には、寛延三年(1750年)に雨乞いのために数名の神職が入山、当社から上水谷神社、「御蓋山」山頂の本宮神社(禁足地内)へと巡拝し、百座、二百座の中臣祓を奏上したとされます。