宅春日神社
(やけかすがじんじゃ)


大和国添上郡
奈良市白毫寺町116
(社前に寄せて停めおきました)

■延喜式神名帳
春日神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
天児屋根命
比売神


「高円山」の西方麓に鎮座。「高円山」とは「花山(春日山)」の、南側にある山。春日大社創建神話に深く関わる社。
◎社伝によると、神護景雲二年(768年)に春日大社創建の際に、河内国の枚岡神社より春日四神を迎えるにあたり、当初で一時留まり仮宮を設けたとされます。
◎当時この地を「大宅郷」と称していたことによる社名由来とされますが、「和州旧跡幽考」(江戸時代)が引く「春夜紳記」という書には、社殿が焼けたことによる「焼春日」という記述があるようです。
「大宅郷」は大宅氏(大宅臣)が拠点としていたようで、また枚岡神社が鎮座する河内国河内郡にも拠点がみられます。和珥氏系氏族と考えられ、7世紀初頭には既に中央での活躍が散見、この大宅氏が春日四神遷座に大きく関わったように思います。したがって「焼春日」などというのは後世の付会かと。
◎上記社伝には神護景雲二年とされますが、いくつかの古書等を鑑みるに、天平七年(735年)には春日大社は既に創建されていたものと考えます(春日大社の記事参照)。したがって当社の創祀は同様に遡るとみます。
◎ご本殿脇には大山祇神を祀る境内社有り。当社創建前に鎮まっていたのかもしれません。




大山祇神を祀る境内社。