☆ 「ダンノダイラ」磐座群



大和国城上郡
奈良県桜井市出雲 (「巻向山」山中)



伝説の地「ダンノダイラ」。大和の原始の様子を探る上で欠かせない遺跡。

ようやく登拝に至りました。
ここを訪れずに、よくもこれまで偉そうな記事を書いてきたな…と、恥ずかしい次第。




遺跡の概要は、かつて「出雲族」が標高400mほどの高所に住み、そして奉斎し、拠り所としていた磐座群。

場所は大和の神奈備山「三輪山」の北側、尾根続きの「巻向山」の山中。


「出雲族」なのです。おそらくは出雲国から移住してきたのであろうと思われます。

三輪山に鎮まるのは大物主大神ですが、紀には大己貴命の和魂とあります。ところがこの神の事績は事代主神のものと同じもの。いずれにしても出雲国の神が鎮まるとされているのです。

弥生時代に移住してきたのではないかと考えられます。


なぜこんな高所に住んだのか。これについては銅鐸氏族の進出により追いやられたという考えもあります。

現にこの「出雲族」の子孫たちは、近年まで麓の世界から隔絶し続けていたそうです。また麓に降りて住むようになってからも「出雲族」であることを隠蔽しながら。

隠口(こもりく)十二柱神社が、その降りてきた麓。その社は当磐座の遥拝所として創建され、後に社殿が設けられたようです。

追いやられたというのは、つまり「国譲り」。

大國主神の国譲り神話は、ここで起こった「国譲り」がモデルとなった可能性も無いとは言い切れません。

大物主神とは彼らが奉戴した神であった可能性も。そうすると、崇神天皇が悩まされた大物主神の祟りというのは、彼らを追いやったことが原因であるのかも。

一族からは大田田根子神や野見宿禰神が表に出ましたが、一族全体は日の目を見ないままだったようです。














「天壇」跡や「靇山池」水神坐水沼神社などは近々登拝を考えています。