風宮神社 (春日大社 境内末社)


大和国添上郡
奈良市春日野町160 (春日大社内)
(春日大社有料P利用、料金不明)

■祭神


春日大社ご本殿が鎮座する回廊内の社。風神が祀られています。
創建由緒については不明。社名から皇大神宮の風日祈宮・豊受大神宮の風宮に倣ったもののように思われますが、末社に属することから考えて両社とは異なり傑出した歴史を有するものではないかと。
風神は時代により様々な捉えられ方をしてきました。稲作や家屋に被害をもたらす暴風を起こす悪神として、鑪製鉄に必要な恵みの風を起こす神として、疫病を運んでくる悪神としてなど。当社においては鑪製鉄との関連は見出だしにくく、悪神を鎮めるために祀られたのであろうと思います。
なお祠の右隣(向かって左隣)には「七色寄木(なないろのやどりぎ)」というものがあります『(冒頭写真参照)。これは風神の神威によりいろいろな種が運ばれ寄木となったというもの。子授け祈願などというあさましい信仰が生まれたようですが、神社本来の意義が失われてきた近世以降の付会かと思います。