三十八所神社 (春日大社 若宮社境内摂社)


大和国添上郡
奈良市春日野町160 (春日大社内)
(春日大社有料P利用、料金不明)

■祭神
伊弉諾命
伊弉冉命
神日本磐余彦命


春日大社の境内社であり若宮社の「中社」。若宮社春日大社と同格と位置付けられ、同様に「中社」を有します。「中社」とは一般的に言うところの「摂社」のこと、ほぼ同義と捉えて問題無いようです。若宮社から紀伊神社へ向かう「奥の院道」の途上に鎮座します。
原初は「金剛蔵王三十八所・子守・勝手」の三殿であったとされます。これは「舊記勝出」という書の久安二年(1146年)記に記されているようです。
「金剛蔵王三十八所」とは吉野山金峰山寺蔵王堂の鎮守社である金剛蔵王三十八所(未参拝)のこと。「子守」とは吉野水分神社のこと。「勝手」とは勝手神社のこと。大社と密接な繋がりを持つ興福寺が、吉野大峰の山岳信仰と深い関わりを持っていたことによる勧請のようです。現在のご祭神三座の記録が見えるのは、寛文三年(1663年)の「神社記」という書から。大社側では、既に吉野の金剛蔵王三十八所が無くなっていたからではないかとしています。