☆桜井茶臼山古墳
大和国城上郡
奈良県桜井市外山
(アクセス、駐車は下部写真にて)
■形状
前方後円墳
■全長
207m
■築造時期
3世紀末~4世紀初頭
■埋葬施設
竪穴式石室
(石室全体に水銀朱が塗られている)
■出土品
碧玉製玉杖、玉葉、ヒスイ勾玉、ガラス製管玉、五輪型石製品、鉄杖、鉄刀剣、鏡103面以上(内行花文鏡、三角縁神獣鏡を含む)など
*以上は盗掘済みでわずかに残ったもの
■周辺の状況
「鳥見山」(桜井市)の北麓の尾根先を切断して築かれる
「大和古墳群(纏向古墳群)からは少し離れる単独墓
■被葬者
古墳の規模や石室の様子、副葬品からみて3世紀末~4世紀初頭の大王クラス。
地元伝承は饒速日命、あるいは長髄彦神。
200m超、大王級のもののなかで立ち入ることができる貴重な古墳。
3世紀末~4世紀初頭ということは、初期ヤマト王権の王墓であろうとされます。卑弥呼が生きた時代の少し後のこと。
石室全面に水銀朱が施され、権力者が持つという碧玉製玉杖などまさに大王の風格漂うもの。103面以上の鏡が出土するのは断トツで国内最高。ほとんど盗掘され、わずかに残ったものだけでこの量があるようです。しかも良質なものを選りすぐったとのこと。
以下の鏡が含まれます。
*三角縁神獣鏡(魏から?) … 26面
*画文帯神獣鏡(中国産) … 19面
*内行花文鏡(国産) … 12面
被葬者を探る上で特に必要と思われる事項を抽出しておきます。
・大王墓が居並ぶ纏向の古墳群(大和古墳群)とは少々離れた南方に築造された単独墓
・「鳥見山」の北麓
・「鳥見山」西側に同じく大王級メスリ山古墳が築造されるも、こちらも単独墓
・正史に築造の記述が無い
・前方部が細い「鏡柄型」で、日向地区以外にはあまり見られない
*写真は2020年1月と2023年9月撮影のものとが混在しています。
*誤字・脱字・誤記等無きよう努めますが、もし発見されました際はご指摘頂けますとさいわいです。