水谷神社 (春日大社 境内摂社)
(みずやじんじゃ)


大和国添上郡
奈良市春日野町160 (春日大社内)
(春日大社有料P利用、1000円/1日)

■祭神
素戔嗚命
大己貴命
奇稲田姫命


春日大社の摂社(当社では「中社」と称されていた)の筆頭。「春日奥山」の山中に鎮座する上水谷神社(かみのみずやじんじゃ、禁足地内参拝不可)の里宮とされます。
◎その上水谷神社は「水谷川」と「能登川」の水源に当たる地に鎮座。大和は盆地であり干魃が頻繁に起こるため、雨乞いの祈りが頻りに捧げられました(龍王社の記事参照)。特に春日奥山五社(かつてはもっとあった)は水神系が多く祀られており、春日大社の深淵が垣間見えるもの。その上水谷神社には春日四座・若宮神・水谷神・猿田彦神・祓戸神が祀られており、これは春日大社の本社さながらのもの。この社は「ミニ春日大社」であったのではないかと考えます。
◎「水谷川」は平城京に流れ込む数少ない貴重な水源。鎌倉初期の記録に、この川から最も清浄を必用とする水が汲まれたとあるようです。また室生初期の記録には、当社すぐ下流は禊場であったとのこと。
◎当社の御神体は岩であり、磐座信仰であったとされます。社殿下に座しており、漆喰で固められています。

*写真は2020年1月と2021年9月撮影のものとが混在しています。





以下、社殿下の磐座(御神体)。