水無神社
(みなしじんじゃ)


飛騨国大野郡
岐阜県高山市一之宮町一の宮上5323
(P有)

■延喜式神名帳
水無神社の比定社

■社格等
[旧社格] 国弊小社
[現在] 別表神社
飛騨国一宮

■祭神
[配祀] 大己貴命 三穗津姫命 応神天皇 高降姫命 神武天皇 須沼比命 天火明命 少彦名命 高照光姫命 天熊人命 天照皇大神 豊受姫大神 大歳神 大八椅命


飛騨国一宮、日本のルーツとも言われる「位山」(未登拝)を御神体として祀る社。「位山」は日本列島の中で最初に島として姿を現したところと考えられ、おそらく日本人が最初に住み始めたであろうところ、ここから日本の歴史が始まったとされます。
「位山」は表裏分水嶺として知られ、北は宮川から下流は神通川となり日本海へ、南は飛騨川から下流は木津川となり太平洋へと。この「位山」を源流とし多くの歴史が刻まれました。
当社の創建由緒については詳しくは伝わっていません。社伝では神代のこととしていますが、「位山」においての磐座祭祀を創祀と考えるのであれば、旧石器時代からとなるのでしょうか。事実「ペドログラフ(ペドログリフ)」が周辺からいくつか発見されています。
正史に現れるのは貞観九年(867年)の神階授与。このときまでに麓の現社地にて創建されていたことが分かります。
ご祭神については諸説あり一定していません。「水無」から「水主」と考えるのが自然かと思われます。上古はいわゆる「水神」であったのではないかと。それが罔象女神大歳神といった神となり、民族の流入により天火明命や少彦名命、高照姫命といった神が宛てられていったようにも思います。
なお配祀神には見慣れない神名がいくつか見受けられますが、大八椅命は飛騨国造。
◎「位山」を中心とした飛騨国について(「両面宿儺」、斐陀・斐太・飛駄などの地名説話、拠点とした氏族等)の記事をいずれ上げたいと思います。

※写真は2017年5月撮影のものです。



ご本殿は回廊もある重厚な造り。

樹齢800年の大杉。

かつてあった檜の大樹。

境内社 白山神社


境内から「位山」を。参拝時に宿泊した宿の温泉には、おそらく太陽を表しているとされる「ペドログラフ」がありました。

「位山」の遥拝所がある「御座山」が、おそらくこの辺りの山のいずれか。