岩樟神社・恵比須神社


淡路国津名郡
兵庫県淡路市岩屋字明神799
(P無し、道路向かいの「ジェノバライン駐車場」にいつも停めています)

■祭神
[岩樟神社] 蛭子命 伊邪那岐尊 伊弉冉尊
[恵比須神社] 蛭子命 事代主命


淡路島の北端に近いところ、淡路SA近くの海沿いに鎮座する社。道路向かいには有名な「絵島」がありますが、当社も観光スポットの一つ。またすぐ南には当社とゆかりの深い石屋神社も。
海沿いを走る国道28号線沿いに面して恵比須神社が鎮座します。そしてその裏側に回り込むと岩樟神社が鎮座しています。
◎岩樟神社については、岸壁にぽっかりと開いた穴(洞窟)に窮屈に社殿が収まっています。これはこの穴そのものを御神体としていることが分かります。現在は奥行き3mですが、かつては52mもあったとか。これは中世にこの丘陵の頂に築城された際に削られたもの。この穴(洞窟)はイザナミ神の幽宮という伝承も。海に向かって北側に開いていますが、海岸は50mほど先。つまり海に面して穴が開いていたのかと想像されます。ジェノバライン(高速船の発着場)自体は埋め立て地かと思われるので、古代の地形は分かりかねますが。いずれにしても東50m余りの「絵島」 と、一連の祭祀場であったものかと。
◎恵比須神社については、蛭子が流された地という伝承があるようです。イザナギ・イザナミ神による神生み(みとのまぐわい)に最初失敗し、不具の子が生まれます。それが蛭子神。葦舟に乗せて流してしまいます。そして漂着したとされるのが、全国えびす神社の総本社とされる西宮神社(西宮えびす、記事未作成)。仮に「絵島」を「自凝島」とするなら、この地から流されたということになります。ところが実際に漂着した可能性が高いのは和泉国の石津神社。そうすると流した場所(自凝島)は立地的に、上立神岩の可能性もあります。
◎なお南すぐの石屋神社は当初、当社の丘陵の頂に鎮座していました。神功皇后が戦勝祈願を行ったとされ、この一帯が遥か古代からの祭祀場であったことが分かります。

※写真は2017年5月撮影のものです。


こちらは手前の恵比須神社。


恵比須神社の奥に回り込むと岩樟神社に行けます。


この畏れ多い霊地が、資材置き場に。