國津神社 (都祁南之庄)


大和国山邊郡
奈良市都祁南之庄町485
(社前に路駐しました)

■祭神
大国魂命


奈良市東部の山村地帯、「都祁(つげ)」地方に数多く点在する國津神社の一社。同系統の九頭神社、葛神社も鎮座します。また明治の合祀令により失われたものも多くあります。
◎社伝によると、天録三年(972)に伊賀国阿拝郡の國津大明神を河内国高安郡へ遷す途中に当地で一時滞在したと。その際に社殿背後の山に座す御神体の「白石」が動かなくなったので、当地に社殿をこしらえ創建に至ったとのこと。
つまりその時にはすでに創祀はなされていたということに。都祁氏が奉斎していた霊石だったように思います。都祁氏は允恭朝(5~6世紀頃)に不敬があったため稲置姓に落とされ、凋落していきました。
◎伊賀国阿拝郡の「國津大明神」というのは、どの社の神を指すのか不明。名張郡には数多く国津神社が鎮座しますが。伊賀国一ノ宮である敢國神社が「國津神」とする表記が多く見られることから、そちらなのかもしれません。
◎一方、遷座させた河内国高安郡の方の社も不明。高安郡は渡来人が多く住み着いた地であるため、渡来人が拠点としていた痕跡が色濃く残ります。なかでも天照大神高座神社は特に。「高安山」を日祀りの聖地として崇めていたという説も。都祁氏の関連でこの神社のことを指している可能性も考えています。
◎御神体の「白石」とは、背後の山にその群集(20体ほどという情報あり)があるとか。中腹には八王子神社が鎮座しているようです(いずれも未確認)。

*写真は2019年5月と2021年8月撮影のものとが混在しています。