薮田神社 (南丹市)


丹波国船井郡
京都府南丹市園部町南大谷細川22
(社前に路駐可)

■延喜式神名帳
[境内末社 志田樋神社] 志多非神社の論社

■旧社格
郷社

■祭神
月読命
伊邪那岐命
須佐之男命


亀岡市を北に抜け南丹市に入ったすぐの、田園に囲まれた小さな集落内に鎮座する社。「口丹波」とも呼ばれているようです。集落は南北に流れる「本梅川」沿いにありますが、東西はわずか500m足らずの谷地。「本梅川」は「園部川」に合流し、さらに「大堰川」に合流します。
◎式内論社となっているのは、ご本殿右隣(向かって左)に鎮座する志田樋神社。猿田彦命が祀られています。当地は「ヒタヒノモリ」と称されていたことが比定された根拠。また志賀剛の「式内社の研究」によれば、「志多非」は「下樋」のことで、地下の樋といった意味であるとか。古事記にも「斯多備(したび)」として記されています。
◎古くから「ヒタヒノモリ」と称されていたということは、月読神は後の時代に勧請されてきたものと思います。
下流の「大堰川」沿いに式内名神大社 小川月神社(記事未作成)が鎮座。またさらに10kmほど下流に山城国葛野郡の式内名神大社 月読神社が鎮座します。おそらくは秦氏が関与したと考えられ、「大堰川」を遡り開拓、小川月神社の創建に関わったと見られています。
上流には月讀神社笛吹神社(いずれも南丹市)と秦氏が関与したと思われる神社が鎮座しています。
◎境内はいい具合に寂れており、趣ある古社といった風情。イチョウの大樹が紅葉時期には美しく映えます。

※写真等は2017年10月、2020年12月のものが混在します。



手前が月読神など三柱を祀るご本殿。


こちらが志田樋神社。