久須斯神社
(くすしじんじゃ)


大和国吉野郡
奈良県吉野郡吉野町三茶屋143
(社前に寄せて路駐して問題無いかと思います)

■祭神
久斯之大神
[合祀] 大水上之神 天照国照日子火明之命


「三茶屋(みっちゃや)」と呼ばれる、かつて参勤交代時の中食をとるところとされていた山間地域の集落に鎮座する社。標高は300m余り。
◎社頭案内では「東西に走る伊勢街道と南北に通じる宇陀・吉野を結ぶ街道に位置し」とあり、交通の要衝であったことが窺えます。ただし「伊勢本街道」は南北に走っているので、案内は間違えているように思うのですが。
◎その案内によると「久斯之神」を少名毘古那神とし、国造り・医薬・酒の神としての信仰があったとあります。東方1kmほどに小名牟遅神社(後ほど記事UPします)という同じくスクナヒコナ神を祀る社が鎮座。原初からこの神が祀られていたのかは不明。「久須斯(くすし)」と「薬師(くすし)」繋がりからもたらされた神なのか。
◎これに対しご祭神は九頭神であり、水神・河神であるともするのは「吉野町史」。社前を「津風呂川」が流れ、水神を祀るとするのは順当なところかと思われます。
南方には國樔(国栖)の里があり、北にはその祖神である磐押開別神を祀る岩神社が鎮座。また当社と岩神社の間には九頭神社(記事未作成)が鎮座。久斯之大神と九頭神とは同神と捉えるべきなのでしょうか。
◎合祀の二柱はまったくもって不明。社頭案内では「大井の大水上之神」と「笛吹の天照国照日子火明之神」であるとしています。
◎周囲をいくら調べても「大井」という集落は見当たりません。あまりにも遠く離れていますが、讃岐国の大水上神社(未参拝)と関連があるのでしょうか。
一方「笛吹」に関しては、2019年の当記事UP時に頂いたコメントの情報から探ると、南方400mほどに「笛吹」というバス停名が存在します。当地に移住した笛吹連(葛木坐火雷神社の記事参照)の裔もいたのかもしれません。

※写真は2019年2月と2021年6月撮影のものとが混在しています。






「三社大明神」の扁額。