烏止野神社
(うどのじんじゃ)


紀伊国牟婁郡
三重県牟婁郡紀宝町鵜殿104
(隣が公園となっており駐車可、進入口は熊野街道より)

■祭神
大己貴命
伊弉諾尊
伊弉冉尊
天照皇大神
倉稲魂命
蛭子命
金山彦命


背後の小山を神奈備とする社。山中には元社 大上神社があり磐座が座します(社殿無し)。また当社を奉戴した鵜殿氏が築いた鵜殿城跡も含め、紀宝町ふるさと歴史公園として整備されています。なお貴禰谷社貴禰谷神社も、連なる山の中腹に鎮座します。
創建時期は不明ながら、口碑によると戦国末期から江戸初頭のことと。元社についてはまったく資料がないものの、祭祀形態から相当な古社かと思われます。
鵜殿氏は戦国時代に名を馳せますが、藤原氏北家の後裔であるとしています。別に饒速日神の末裔であるとも。生き残りを図り藤原氏に鞍替えしたようにも取れますが、その辺りは不明。熊野国造家が物部氏系であるとも考えられるので、関連しているようにも思います。
また熊野速玉大社の「御船祭」では、「御幸船」と「斎主船」を「諸手船」が先導しますが、その舵取りを行うのは鵜殿氏の住民たち。これは「石淵谷(貴禰谷神社か)」から新宮(速玉大社か)への遷座を、鵜殿の住民が船で先導したとの伝承に基づくもの。鵜殿水軍との関わりも考えられます。
なお伊邪那岐尊以下のご祭神は合祀によるもののようです。