☆上居の立石
(じょうごのたていし)



大和国高市郡
奈良県高市郡明日香村上居
(P無し、下部写真参照)



「石の村」と呼べるほど多くの石がある明日香村。

加工石が多いことや、全部で百体ほどはあろうかという陽石が座す飛鳥坐神社酒船石「猿石」といった辺りがとりわけ有名ですが、実は「立石」と呼ばれるものも知り得る限り明日香村内に5箇所あります。

何のためのものなのか分かっていません。

以下の特徴が見られます。
*加工がなされず、ただ立て起こして据えただけであること。
*一体のみの単体で座していること。
*特定の地域に集中せずバラけていること。

庚申や山神、道祖神などはたいてい、そのように文字が彫られていますが、「立石」には加工が施されていません。文字が刻まれていないので庚申や山神ではなさそう。村の端にあるわけでもなく道祖神でもなさそう。

「豊浦の立石」は甘樫坐神社「立部の立石」は定林寺の元境内、「岡の立石」(現在は見学不可)は岡寺の境内に…と

神社や寺院の結界を示すものという説もありますが、この説には肯定しかねます。

往古は村ごとに一体が座し、何らかの信仰の対象であったのかと考えています。

*写真は2018年10月と2025年9月撮影のものとが混在しています。