玉津島神社


紀伊国名草郡
和歌山市和歌浦中3-4-26
(P有)

■旧社格
村社

■祭神
稚日女尊
息長足姫尊
[配祀] 明光浦霊(アカノウラミタマ)


名勝「和歌の浦」に鎮座する社。創祀は神功皇后の遠征に伴うものですが、聖武天皇行幸により社として整えられたとしています。またいつの頃からか「和歌の神と誤解」された衣通姫も祀られています。
原初のご祭神は「玉津島神」であったものと思われます。往古は島が玉のように点在していたのでしょうか。神功皇后は進軍の際に、その「玉津島神」のご加護を受けたとされています。背後の奠供山(てんぐやま)や、かつての祓戸社であったとされている鹽竈神社とその社が鎮座する鏡山を含めて5つの島であったとも。
聖武天皇が行幸した際には、景観の美しさに心を奪われ、玉津島神と明光浦神の御霊を祀るように詔しています。中世の書には社殿の様子が描かれておらず、玉津島山がご神体そのものであったのかもしれません。そうするとこの風光明媚な「島」と「浦(浦)」が、神そのものであったと解することができます。
なお昔は丹生都比売神社からはるばると当社まで神輿の渡御があったそうです。そして当社からさらに日前神宮(ひのくまじんぐう)にも。その意味では、丹生都比売神と稚日女神とは同神と考えられていたと言えます。





「根上り松」

かつては山頂にも座していたようです。