吉備春日神社


大和国十市郡
奈良県桜井市吉備259
(P無し、隣接する公園に短時間なら駐車できると思われます)

■旧社格
村社

■祭神
武甕槌命
経津主命
天児屋根命
天武天皇
[磐座] 大津皇子


古代より多くの歴史の舞台となった、桜井市「吉備」の集落内に鎮座する社。現在は長閑な古い集落となっています。
◎第31代用命天皇の「磐余池邊雙槻宮(いはれのいけのへのなみつきのみや)」跡ではないかとされる候補地。「磐余池」の周囲に5代に渡る天皇が宮を営んでいます(「東池尻・池之内遺跡」の記事を参照)。
また近くで大官大寺跡ではないかとされる遺構も発見。さらに当地は神武東征の際の、兄磯城(エシキ)との最終決戦の地であるとも考えられ、隣に顕彰碑も建っています。
◎ご本殿には春日神が祀られ、おそらく右殿に天武天皇、左の磐座に天皇の皇子である大津皇子が祀られています。
◎「吉備」の地名は、大伯皇女(大來皇女)が吉備国大伯郡で生まれたことによるものと考えられています。
大伯皇女の有名な万葉歌、「うつそみの 人なるわれや 明日よりは 二上山を いろせと わが見む」はこちらで作れたものかもしれません。付近に万葉歌碑もあります(下部写真参照)。
これは「二上山」を悲劇の大津皇子(大伯皇女の弟)と思って拝もうという意味の歌(大津皇子 二上山墓の記事参照)。
◎また大津皇子の万葉歌、「ももづたふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隔りなむ」というのも、この辺りで作られたのかもしれません。


右手に見える公園に停められます。



左手に見える右殿が天武天皇を祀る祠でしょうか。


大津皇子を祀る磐座。

境内すぐ横から。真ん中に「二上山」が美しく見えます。

鳥居から「二上山」を。

境内の万葉歌碑。

境内南隣の「吉備池」堤の万葉歌碑。

こちらも同上、池の堤に2ヶ所の万葉歌碑があります。「うつそみの 人なるわれや 明日よりは 二上山を いろせと わが見む」

境内北隣の神武天皇顕彰碑。