穴穂神社 (石上穴穂宮)


大和国山邊郡
奈良県天理市田町568
(南側が厳島神社の参道兼田町児童公園となっており、十分に駐車可)

■祭神
高龗神


第20代安康天皇の石上穴穂宮があったところに鎮座する神社。隣の民家の庭かという程度のこぢんまりとした社、往古は広大な社域を有していたようです。
◎安康天皇(穴穂皇子)は眉輪王(まよわおう)により暗殺されるという、皇室史上類例をみない天皇。そもそも皇位継承筆頭であった同母兄の木梨軽皇子を殺して即位。木梨軽皇子は同母妹(穴穂皇子とも同母)衣通姫と通じ左遷された皇子(→ 衣通姫伝説)。その後2皇子は戦い穴穂皇子が勝って即位します。即位後にも大草香皇子を殺してその妻を自身の皇后としましたが、遺児である眉輪王に殺されてしまったのです。同母弟には、これまた次々と有力者を殺した暴君として有名な雄略天皇がいます。
◎なお安康天皇は「倭の五王」の「興」ではないかとされています。
◎当社はその「穴穂宮」に仮託して、明治に社名変更したもの。「布留川」に対する用水の守護神として貴船大神(高龗神)を勧請してきたようです。創建時期は不明ながら、相当な古社であると案内板にはあります。