鴨山口神社


大和国葛上郡
奈良県御所市櫛羅2428
(P無し、一の鳥居前に停めて問題無いかと思います)

■延喜式神名帳
鴨山口神社 大 月次新嘗 の比定社

■旧社格
村社

■祭神
[相殿] 大日靈貴命 御霊大神 天御中主尊


大和国十四所山口社の一社、当社も例外なく式内大社に列格。
◎原初は現在の北西2kmの山手にあったとされ、崖崩れが起こり現社地に遷座したとされています。その旧社地というのは「櫛羅猿目上方」、通称は「岸野山」。具体的な詳細は分かりませんが「山口」という地名が残っている辺り、つまり葛木坐火雷神社の西500m辺りであろうかと推されます。
◎「大和志」には「鴨山口神社 俱尸羅村(くしらむら)高鴨山に在り 松樹一株樹下に小祠あり」と記されており、これが旧社地のことと解されそうですが、こちらも詳細不明。
◎上記の「櫛羅猿目上方」について、当社案内には以下のようにあります。昔、猿田彦大神が顕現されて「このような霊異地は珍しく、照り輝くこと日月のごとく、すなわち時々アマテラス大御神が天降り給ひて鎮座云々」とあり、今、この在所を「俱尸羅邑(くしらむら)」と申すもアマテラス大神の御霊日月のごとく奇異に現れ給しよりの名なりとされ、クシラとはクシヒトの転訓なりと。当時は神女による占いが盛んでこれにより発展したとも。
少々強引で一部理解不能な地名説話ですが、猿田彦大神が登場するなど気になる内容ではあります。→「櫛羅」の地名由来は別途記事にて。
◎ご本殿に安置される大霎貴命座像(56cm)と御霊大神座像(50cm)は国宝。相殿に見える二柱の神です。
◎当地の字名は「大湊」。往古は「大和湖」の船着き場であったことが推し測られます。「大和湖」とは縄文時代の終わり頃まであったという巨大湖のこと。現在の大和盆地がすっぽりと湖底であったと考えられています。

*写真は2015年頃と2021年9月撮影のものとが混在しています。









境内は遷座後にもかかわらず、非常に神寂びた雰囲気。宮司さんの神祀りに対するセンスの良さも伺えます。

以下は境内社。



天児屋根命を祀ります。



県道30号線を挟んだ向かい側。御旅所なのかもしれません。

磐座なのか、ただ公園に据え置かれただけの岩なのか…