名居神社
(なゐじんじゃ)


伊賀国名張郡
三重県名張市下比奈知2092
(P有、境内東側より進入路あるが標識小さく分かりづらいので見落し注意)

■延喜式神名帳
名居神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
大己貴命
[配祀] 少彦名命 天兒屋根命 市杵嶋姫命 事代主命 蛭子命


地震の古語である「なゐ」を冠する社。 
◎推古天皇七年(599年)に大和国を中心とした大地震が起き、「四方(よも)に令(みことのり)して地震(なゐ)の神を祀らしむ」とあり、それにともなった神社であるとされています。
◎ところが中世以降、この「なゐ」と当社を結びつける資料が一切無く式内社比定に否定的な意見も多くあります。時代とともに地震鎮めの神が不要となったのか、それとも式内社は別の社なのか。宇流冨志彌神社に宛てる説もあります。
◎社名の「名居」を「なおり」と読み、「なばり(名張)」からの転訛とみる説もあります。その場合は名張臣たちが祖神である大彦命を祀った社とするもの。根拠も薄くあくまで一説というレベルか。
◎江戸時代には国津社と呼ばれていたようです。地震から土(土地)の神を祀るようになり、それが大國主神へと変化し、国津神を祀る神社であると捉えられるようになったのでしょうか(名張郡に点在する「國津神社」)。もしくは往古より九頭龍神を祀る社だったのが、地震以降に、大國主神を祀るようになったものか。
◎境内社として近隣の山神を10神ほど集めた一画があります。三重県内の神社には多く見られるものですが、九頭龍神と関係があるのかもしれません。
◎なお当社を元伊勢「隠市守宮(なばりいちのもりのみや)」に比定する説もあります。





山神の集合体