ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム -4ページ目

ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

(前回の記事)

 

3.LA音源:Roland MT-32

 

 

言わずと知れた名機。

大学に入ってから、バイトで貯めたお金でMT-32(中古)を購入しました。

それまでのPSG音源、PD音源、FM音源とは別世界の音源でした。

 

(CharGPTで生成)

 

まず同時発音数。

それまでどう頑張っても8音程度だったのが、最大32音。異次元です。

最大8パートをそれぞれ和音で鳴らせるなんて。

そして出てくる音色が素晴らしい。

PCM波形+シンセ。リアルでもあり、合成でもあり、という不思議な音色。

ドラムも10chに入っています。ドラムマシンも買わなくていい。

さらにリバーブが標準で付いています。これが本当に画期的。リバーブのエフェクターも不要。

この動画の3:12から。

 

 

今までいかに少ない音数でやりくりするか、ドラムの音をどうやって作るか、残響っぽく鳴らすにはどうしたらいいかに苦労していたのが嘘のようです。

「これ1台で何でも鳴らせる」。

当時もう打ち込むのが楽しくて仕方ありませんでした。

この動画の曲を聴くと、当時の興奮を少し感じとっていただけるかもしれません。

 

ただ一点だけ残念なことが。

ピアノの音が出ないことです。

「ピアノ」という名前の音色はあります。しかしPCM波形メモリの限界なのか、ピアノというにはほど遠いショボい音でした。

仕方なくこの曲でもピアノの代わりにハープの音色を使っています。

 

この問題は、これより上位機種の D-110では解決していました。

D-110 を持っていた友人にピアノ音色を聴かせてもらって、羨ましかったです。

 

LA音源のPCM波形+シンセというのは、生楽器志向の人にとってはまだまだシンセっぽさが残るため、もう一つだったかもしれません。

しかし今あらためて当時の音を聴くと、生でもなくシンセでもないこの音色が、逆に新鮮です。

動画のコメントでも、この曲やLA音源を評価するものを結構いただきました。

 

MT-32の「オール・イン・ワン音源」という画期的な発想は、このあとのGS音源につながっていきます。

 

ところでこの頃、私は「吉田音楽製作所」(通称「吉音」=きっちょん)という作曲サークルに参加していました。吉音では毎月、サークル会員の作った曲を集めてカセットテープとして学内で販売していました。

カセットテープというのが時代ですね。

私の曲「#3」は、「月刊吉音 第6号」に収録されています。

 

 

吉田音楽製作所出身のアーティストとしては、神前暁さんが作曲家として有名です。
(「もってけ!セーラーふく」など)

神前暁さんの吉田音楽製作所時代のテープも手元にあります。(黒歴史?)

 

次回は、「#3」のCGについてお話したいと思います。

(つづく)

 

 

(つづき)

 

2.PD音源:CASIO CZ-3000

 

■PD音源とナムコPSGの類似性

CZ-3000については以前こちらに記事を書きましたので、少し補足を。

 

 

CZ-3000はいわゆるデジタルシンセサイザーでしたが、ヤマハのFM音源とは違い、オシレーターの波形を選んで、フィルターで加工、エンベロープで音の伸ばし方を決めるという、アナログシンセサイザーの仕組みそのもの。

オシレーター波形は8つの中から選ぶことができました。

 

 

アナログシンセの場合はこの1,2、3ぐらいしか選択肢がありませんが、それ以外にも選べるというのが利点でした。

特にWAVE FORM 4の波形は、ナムコのPSG(正しくは波形メモリ音源)でよく使われた音に近い、と当時思っていました。

こちらがそのナムコの波形です。マッピーなどのBGMでよく使われた音。

 

 

こうしてみると、確かにCZ-3000のWAVE FORM 4の波形を左右逆にすると、少し近いですね。

ナムコの音はこちら。この動画に出てくる「5番目」の波形です。(3:35あたり)

(※これはCZの音ではありません)

 


CZ-3000のWAVE FORM 4の音を使って、ナムコのアーケードゲームのBGMを打ち込んだりしていました。さらにCZ-3000はリング・モジュレーターというボタンがあり、これを押すだけで金属的な音色が簡単に作れました。リング・モジュレーター自体はアナログシンセにもある仕組みですから、CZ-3000はまさに「アナログシンセのデジタルバージョン」そのものだったと言えます(ユーザーにしてみれば)。わかりやすく、使いやすいシンセでした。

 

■斉藤洋美のラジオはアメリカン

この当時、「斉藤洋美のラジオはアメリカン」というラジオ番組がありました。

「おもしろカセットベスト3」というコーナーがあり、何かネタをカセットテープで番組に送ると、面白ければ採用されるというもの。

私もCZ-3000で作った曲ネタ(番組内で流行っていた歌をナムコゲーム風にアレンジしたもの?)を送って採用されたことがあります。

そのときの録音は残念ながら残っていません。

 

■なぜFM音源ではなくPD音源?

YouTubeのコメントで、「FM音源全盛だった当時で、なぜFMではなくPD音源だったのか?」という質問がありました。

前回のシステムサコム製AMD-98 のあと PC-9801-26というFM音源ボードが発売され、そちらも購入して使っていました。PC-9801-26にはヤマハのYM2203(OPN)というFM音源ICが搭載されていました。

 

(CharGPTで生成)

<YM2203(OPN)のスペック>

・FM音源  3和音

・SSG音源(PSG音源) 3和音

 

合計6和音が出せますが、特性の違う音源が2つ、かつそれぞれ3和音のみというのが中途半端です。

またFM音源はアナログシンセとは全く違う音源方式。どういう音が出るかは試行錯誤が必要で、感覚的ではありません。楽器店のヤマハDX7を店頭で触ったりしていましたが、音自体は良いものの、使いにくいな、と思っていました。やはりCZの使いやすさがピカイチでした。

PC-9801-26は、主にゲームの音源用として使ったり、ベーマガ(マイコンベーシックマガジン誌)に掲載されていた古代祐三氏(日本ファルコムでイースの音楽などを担当)の音楽データなどを打ち込んで鳴らしていた程度でした。

 

高校生の間はずっとCZ-3000を使い、当時所属していた映画研究部で8mm映画のBGMなどを作っていました。

(※CZ-3000の音は 2:38から)

 

 

この動画でPD音源の音を初めて聴いた方も多いようで、FM音源ともPCM音源とも違う音が興味を引いたようでした。

いまYouTubeなどでもCZの演奏動画を見るようになり、再評価されているように思います。

 

このあと大学に入ってからローランドのMT-32を購入し、さらに作曲の幅が広がりました。

(つづく)

 

 

(前回の記事はこちら)

 

(つづき)

これは作曲とは関係ないのですが、当時の高校の文化祭で、うちのクラスは「自主製作映画を作ろう」ということになりました。

今から考えると普通は「お化け屋敷」とか何か出し物をする、と思うのですが・・・

当時なぜかうちの高校では「映画を作って上映する」というのが文化祭で普通に行われていました。

映画といってもビデオではなく、8mmフィルムです。

 

(ChatGPTで生成)

 

カメラも持っていたわけではなく、なんと文化祭のためにクラスで集金して購入しました。

フィルムもタダではなく、シングル8は1本でたった3分しか撮れません。

たしか20分くらいの映画だったと思いますが、20分の映画を撮るためには最低でも3倍くらいは撮りますので、60分=20本くらいのフィルムを消費したのでしょうか・・・

恐ろしいことに、フィルム代だけでなく現像代もかかります。金食い虫・・・

 

そして、撮って現像したら編集しなければなりません。

編集するためには、エディターやスプライサーといった、フィルムを細かく見たり、切ったり貼ったりする機械が必要です。

さらに、セリフをアフレコするためには録音ができる映写機も必要です。

注)撮影と同時録音もできなくはありませんが、セリフや音楽はあとから入れるのが定番でした。

さすがにこれらの機器は、学校(おそらくは映研部)から借りたのだと思いますが、ちょっと思い出せません。

 

 

(ChatGPTで生成)

 

私はこのクラス映画の撮影、編集に関わっていました。

エンディングのスタッフロールをPC98で作っていたので、図々しいことに自分の曲をエンディングテーマにしてしまいました。

 

そして動画中でも述べましたが、オープニングのタイトルもPC98で作っていました。

実物とは違いますが、こんな雰囲気です。

 

(ChatGPTで生成)

 

この文字がバラバラに手前から飛んできて、ぴたっとタイトルに収まる、というようなCGです。

もちろん当時リアルタイムに描画することはできないので、1コマ1コマを描画し、8mmカメラでコマ撮り撮影です。

暗くした部屋で、CRTディスプレイとカメラをセット。

PCが描画が終わったら1コマ撮り、描画が終わったら1コマ撮りを繰り返して、ひたすら撮影・・・

 

(ChatGPTで生成)

 

コマ撮り自体は8mm映画では普通のテクニックなので中高生でもやっていたかと思いますが、CGのコマ撮りはまだこの当時は珍しかったと思います。

DAICONフィルムでCG撮影していた方の記事をアニメ雑誌で読み、影響を受けました。

(雑誌名など失念しました)

その方は、あの名機ZC1000でCGを撮影しておられました。

 

(庵野秀明展で展示されていたFUJICA ZC1000)

 

PCの画面は非常に暗く、また8mmフィルムの感度は非常に低いので(ISO25。当時はASA)、露出を開放にして撮る必要がありました。

しかし開放にするとピントが甘くなります。

これを解決するため、その方はZC1000でバルブ撮影を行い、長時間露光。

この代わりに絞りを絞って、被写界深度を深くする、というテクニックを使っていました。

それによりワイヤフレームの線画の周りがぼうっと滲むように綺麗な効果を生み出せる、と。

 

しかしこちらのカメラにはそんな高級な機能は付いていません。

残念ながら露出開放で1コマ撮りするしかありませんでした。

それでも出来上がったものは見事にアニメーションしており、感動しました。

 

思いっきり作曲とは違う話になってしまいました。

(つづく)