ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム -3ページ目

ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

冨田勲さんの幻の曲が流れた番組では、冨田勲さんがパビリオンの形を音にする、という試みをしていました。

以前ご紹介したように、フェアライトCMIの機能を使い、ライトペンを使ってパビリオンの絵の外形をなぞり、音の波形にする、というものです。

 

 

 

実際にやってみるとどうなるか?という実験をしてみました。

 

 

この動画で紹介したように、ライトペンがないので、パビリオンの絵から音の波形を作成する手順を考えました。

この集英社館の絵を使います。

 


このままでは文字などが邪魔になるので、ChatGPTに指示して消してみました。

 

 

次に、音の波形を作りやすくするために、256x256 のBMPファイル、モノクロにします。

 

 

この画像を読み取って、音の波形wavファイルにするのですが、これはそのためのプログラムが必要です。Pythonのコードで出力するようにChatGPTに指示しました。

たとえ指示した人間がプログラムが書けなくても、できるのが驚きです。

 

 

これを動かして・・・と思ったのですが、なんとこのコードを動かすまでもなく、ChatGPTが率先して「変換しましょうか?」との提案。

 

 

すべてChatGPT上でできてしまいました。

これが出力された音の波形です。

 

 

この波形だけではわかりにくいと思うので、縮尺を合わせて重ねてみると・・・

 

 

ちゃんとパビリオンの形になっているのがわかります。

実際にどんな音がするのかは、動画をご覧ください。

動画では、ほかのパビリオンの絵でも実験しています。

 

結果的には、いろいろなパビリオンを試しても、同じような音色になってしまいました。

特徴的な音色にするには、波形を加工してやる必要があります。

冨田勲さんはおそらく、パビリオンから作った波形はあくまで「素材」と考えて、それを加工して音を作ったのではないか?と思っています。

アナログシンセでは音の加工は当たり前の作業ですが、冨田勲さんは言うまでもなくその道の第一人者です。

曲の表現に合う音色を考えて、素敵な加工をされたのではないかと思っています。

 

原曲が見つかったときは、ぜひ冨田勲さんの加工の様子も見てみたいです。

相変わらずなかなか見つかる気配のない「幻の曲」。

しかしこの曲に興味を持っていただける方たちのご協力により、Discordサーバーができました。

 

「つくば科学万博 冨田勲様の幻の曲を探す会」へのリンクはこちら→https://discord.gg/kZFtnEs4HD

 

 

Discord内で情報交換しており、有志の方々が情報を集めたり調べたりしてくださっています。

しかも驚いたことに、中心となっている方々は10代の方ばかり(!)。

もちろんつくば万博など全く知らない世代です。

これには本当に驚きました。

 

私のYouTubeチャンネルの登録者は、「どこにも記録がない冨田勲氏の幻の曲」の投稿をする前は、40-50代のみでした。

旧式のエレクトーンで古い曲ばかり演奏していたので、それは当然です。

ところが、「どこにも記録がない冨田勲氏の幻の曲」の投稿以降、事態が一変します。

 

私は、つくば万博を知る世代のみが視聴者となるだろうと思っていました。

しかしどういうわけか、10-20代の若い方たちがこの曲に興味を持って、リピーターとなってくださったのです。

 

ひとつには、「40年前の幻の曲」というミステリアス性があると思います。

しかしそれだけではなく、この曲自体の持つ未来的な雰囲気や今の音楽にはない響きが、10代の感受性の高い世代に刺さったのだと思います。

私も、この曲を初めて聴いたのは10代でした。当時、こういうシンセサイザー音楽にどっぷりハマっていました。

世代を超えて、同じ感覚を共有しているのかもしれません。

 

Discordでは捜索活動だけでなく、いろいろな話題を共有しています。

ぜひご興味のある方は、ご参加ください。

前回、「DTMによる打ち込みで原曲の再現精度を上げる」とお伝えしましたが、ようやく完成しました。

こちらをお聴きください。

 

 

使用DAW:ABILITY 3.0 Pro 

使用VST音源:DarkLight IIx、Synth Anthology 2、BeatBox Anthology

 

動画でご紹介したように、当時の音にこだわりました。

冨田勲さんが使われていたフェアライトCMIの音を「DarkLight IIx」というソフトウェア音源で代替して再現しました。

そのほかにもアナログシンセを「Synth Anthology 2」で、TR-707を「BeatBox Anthology」で代替。

こちらが私のDTM環境です。

 

 

昔だったら、部屋中がシンセのキーボードや音源ラック、ミキサー卓で埋め尽くされるようなところですが、今はこれだけ。

たった1台のPCで、16トラックのチャンネルを同時に鳴らしてもまったく平気です。

恐ろしい時代になりました。

 

苦戦したのは、やはり私が打ち込みソフトである ABILITY 3.0 Proに慣れていないこと。

でもレコンポーザに一番近い数値入力ができるのは、今やこれだけなのです。

ABILITY でダメなら他のソフトはもっとダメです。

往年のレコポ使い達の最後の砦です。

 

打ち込み環境については、また別の機会でお話したいと思います。

ともかくも、この幻の曲を打ち込みで再現できたことに今はホッとしています。

 

曲だけリピートで聴きたい人のための動画も作成しました。

 

 

今後はこちらをお聴きいただけると幸いです。