日本科学未来館プラネタリウムの感想|「夜はやさしい」鑑賞レビュー | ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

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趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

日本科学未来館(東京都江東区)。

ここにもプラネタリウムがありますが、普通のプラネタリウムとは全く違います。

上映番組を見るとプラネタリウムという記述は一切なく、果たして星空が見られるのかも不明。

そんなわけでずっとトライしていませんでした。

 

日本科学未来館の外観と看板

 

今回、「夜はやさしい」というプラネタリウム作品が再上映されるとのこと。

これならば確実に星空が見られると思い、見ることにしました。

 

「夜はやさしい」プラネタリウム作品ポスター

 

日本科学未来館の吹き抜けとエスカレーター

 

日本科学未来館のプラネタリウム

 

日本科学未来館 ドームシアター入口

 

ドーム直径:15.24m

投影機:大平技研 MEGASTAR-II cosmos

 

いつもならここでドーム内と、投影機の写真を貼るところですが。

ここ日本科学未来館のドームシアター内は、撮影行為が一切禁止です。

普通、上映前と上映終了後は撮影可能のプラネタリウムがほとんどですが、それすらもダメでした。

 

この日見たプログラムは「夜はやさしい」。

プラネタリウム作品とは言っても、いわゆる星空解説などは一切ありません。

星座絵も出てきません。一等星の説明もありません。

満天の星空が見られるだけです。

バリ島に始まり、北半球・南半球の各地を転々としていきます。

世界地図とともに場所が表示され、次にその地点の星空が投影されます。

その土地で録音された情景音と、麻生久美子さんの朗読が淡々と続きます。

暗転している間にメガスターが次の地点の投影のためにいそいそと動いていました。

 

南半球の星空がプラネタリウムで見られることは滅多にないので、これは貴重でした。

しかしプラネタリウムをいくつも見てきた私でさえ、南半球の星座には馴染みがありません。
この番組は星座解説をあえて省いている構成なので、どれがどの星座なのかが分からないまま進みます。

最後にオーストラリアの星空で、天の川の中にようやく南十字星(みなみじゅうじ座)を見つけました。

本当はアルファ・ケンタウリなども確認したかったのですが、南半球の星座や位置を覚えておけばよかったと後悔しました。

 

メガスターの星空そのものは大変素晴らしかったです。

星像が大変鮮明でキレがある。一等星も大きな丸にはなっておらず、鋭く輝く点。

特に南半球の天の川がとても淡く、しかし厚みのある広がりで、強く印象に残りました。

さらに驚いたのは、「星が瞬いている」ということ!

目の錯覚かと思いましたが、そうではありません。

MEGASTAR-II cosmosは星をランダムに明滅させる「瞬き」機能があるそうです。

非常にリアルな星空に見えました。

 

プラネタリウムを見慣れている私は、各地の星空が映し出されるたびに、オリオン座や北斗七星の位置を見て、どの方角を見ているか、またどの程度の緯度かがだいたいわかります。

特に南半球の星空はオリオン座が頭上にあったり逆さまになっていたりして、面白い光景です。

私は星空だけでも十分楽しめましたが、
星座に詳しくない方にとってはどれほど伝わったのか——
そこは少し気になるところでした。

 

日本科学未来館は、一般のプラネタリウムとは一線を画した独自路線。

アート寄り・表現寄りの番組制作方針なのかもしれません。

ドームシアターの上映作品はそんなラインナップになっています。

とはいえ「日本科学未来館」というからには、子供がわくわくして興味を持つような作品を上映してもよいのではないかと個人的には思います。

これは私が名古屋市科学館の素晴らしい作品群で生まれ育った経験からです。

例を挙げるなら、こちらのような作品。

 

 

 

館内から見る景色はとても素晴らしいです。
本当に立地も建物も良い施設だと改めて感じました。

 

日本科学未来館からの景色

 

日本科学未来館のガラス窓から見える東京の街並み

 

<訪問日:2025年11月>