以前、東海第二原発の見学ツアーに参加しました。
今回また、見学ツアーに行ってきました。
今回は前回と違い、再稼働に向けた「安全性向上対策工事の状況を見るため」のツアーです。
集合場所から、バスで東海第二の敷地内にある東海テラパークに移動します。
これが東海第二原発の敷地です。
黄色い点線が、新しく建設中の防潮堤。
赤い線は、このあとの見学バスで通ったルートを示しています。
まず東海テラパークの会議室で本人確認、事前説明を受けました。
(GoogleEarthより引用して加工)
さて、今回も残念ながら撮影は禁止です。スマホなどを持っていくことはできず、すべて会議室に置いていくことになります。
以下日本原電のホームページなどからの引用となります。ご了承ください。
まず、東海テラパークの屋上に上り、原子炉建屋、タービン建屋、高台に建設された高圧電源車のための建屋、そして敷地全体を覆う防潮堤などの説明を受けます。
その後、東海テラパーク内の展示で原子力発電の仕組みについての説明。
ここからいよいよ、見学バスに乗って敷地内ツアーに出発。
福島第一原発ほどではありませんが、チェックは厳重です。
ゲートでは守衛の方がバスに乗り込み、見学者全員の見学パスをチェック。OKが出るとゲートが開かれ、バスが中に入りました。
(日本原電のホームページより引用)
まず原子炉建屋、タービン建屋、高台に建設された高圧電源車のための建屋をバスの中から見学。
もし防潮堤を超える津波が襲来したとしても、浸水しない高台に高圧電源車、ポンプ車を配備して、原発を動かしたり冷却ができるようにしているとのこと。
次はいよいよ防潮堤が見えてきます。
これが圧巻で、本当に敷地全体が壁で覆われています。
以前はどこからでも海がよく見えていましたが、もう全く見えません。
「進撃の巨人」の壁みたいなものです。
(日本原電のホームページより引用)
海側の防潮堤は高さ20m。
このように鋼管杭と呼ばれる直径2.5mの鋼鉄のパイプをずらっと並べて壁にしています。さらにそれを覆うようにコンクリートで埋める。まさに壁がそそり立っています。
鋼管杭は地下深くの岩盤に届くまでの長さがあり、地上には一部のみが見えている状況。そこまでしないと津波の破壊力には耐えられないということなんでしょうね。
(日本原電のホームページより引用)
工事の不備で話題になっている取水口は見られませんでした。
放水路のほうは本当に四角い3つの穴が見えました。
取水口、放水路は、壁に穴をあけているようなものなので、津波襲来時に一番弱いところです。放水路は、津波襲来時にはすぐにゲートが下りてきて敷地内への浸水を防ぐそうです。
見学バスから降りての見学を期待していましたが、残念ながらすべてバスの中から見るだけでした。福島第一原発でもバスから降りての見学はやっていたことなので、東海第二でもやってほしいところです。
最後に、ゲートを出る前にまた守衛が乗り込んで全員をチェック。
なかなか厳重です。
東海テラパークに戻って、最後は質疑応答タイム。
・高圧電源車と高圧ポンプ車は、ずっと高台に置きっぱなしなので別に車の形態でなくともよいと思いますが、実はこれには理由があり。
高圧電源設備や高圧ポンプ設備を建屋に固定すると地震の際の揺れで壊れてしまうため、対策が必要。しかし車の形態だとタイヤがあるため、揺れを吸収することができ、ちょうどよいそうです。
・福島第一原発で問題になった、非常用ディーゼル発電機の浸水。このとき、実は予備が高台にありましたが、分電盤が地下にあったので結局役に立ちませんでした。
これを東海第二では重要視しており、電源設備は地下にあるものの、特別に浸水しないような水密対策を行っているとのこと。
これで見学は終了。
いただいた資料など。
こちらはボールペンですが、なんと、燃料であるウランペレットの実物大模型が。
さらにそれを磁石で浮かせるという凝りよう。
原発そのものは個人的には日本では現実的ではない、という気持ちは変わりません。しかしどうしても再稼働が避けられないのであれば、最大限の対策は行ってほしいところです。
今回、実際に対策を目で見ることができて、今まで資料で見ていたよりは理解が深まりました。
また機会があれば見学ツアーには参加したいと思います。
<訪問日:2024年10月>