実質賃金 | 政治経済とガンバだけ

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大阪在住。熱烈なガンバファン。固定資産税の国税化、雇用重視の法人税制、企業別最低賃金制度などを提案。

実質賃金について、疑義を上げている文章を読んだので、検討してみます。企業が人を増やす時には、若い人や非正規が多いので、平均の賃金は下がるとのことです。まず若い人を雇うという点ですが、確かに高給の定年退職者が多くて、低い給料の若い人を雇えば、平均の賃金は下がります。しかしこれは、いつの時代にもあった新陳代謝で、全体として給料水準が上がっていれば、平均の賃金が下がることはない。新しく雇う若い人のほうが多ければ、下がることも考えられますが、若い人が減っている状況では、それは考えにくい。初任給も上がっているので、若い人を雇うから、平均の賃金が下がるということは考えにくい。

次に、非正規を雇うことが多いから、平均の賃金が下がるということですが、雇うのは非正規というのを前提にしているところが問題です。ただ、子育てとの両立で、非正規を選んでいることが多いことを考えると、やはり、年収の壁問題がネックになっている可能性が高い。早く直すべきです。

その文章では、総雇用者所得を経済指標として重視すべきだとしています。たしかに、実質賃金の算定において、雇用者数は重要です。そこで調べてみると、失業者数を除いた就業者数は、2021年から2023年に掛けて、6713万人、6723万人、6747万人となっています。微増であり、実質賃金に影響を与えるほどではないでしょう。

次に、実質賃金の物価のほうですが、植田日銀総裁が、物価上昇2%を言わなくなった(報道では無かったような)のは、良い傾向です。物価上昇2%なんて、ほとんど根拠は無い。知っている範囲では、ノーベル経済学賞受賞のベンバーナンキが、ちらっと触れたことがあるくらいです。物価上昇2%は、間違った金融緩和(黒田日銀後半)の大義名分になっており、問題です。