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Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

前回の焼き肉で、久しぶりに集まった仲間から提案があった。立川方面で、オクトーバーフェストが開催されるね。懐かしい響き。ご存知の方もいるだろう。ドイツビールの祭典。開催地は東京ドーム(その後中止)、日比谷公園横浜赤レンガ倉庫など。毎年参加していた。

 

 

当日は午前中に訪問リハビリを済ませ、午後のペインクリニックで臀部に毎度の注射を刺して貰った。目的地の立飛駅から会場までは目と鼻の先。電車時刻を調べる。天気予報が、それより怪しい。持ってきた防寒着を羽織る。そろそろか。駅に向かう。エレベーターが故障中。

 

 

束の間、ノスタルジックな気分に浸る。立飛駅を降りるのは久しぶり。8年ぶりか。まだ支えも杖もいらなかった。元カノや病気で亡くなった友人も、笑顔だったな。現地は冷たい雨。主催者も困惑したことだろう。日本の秋は、こんなに寒かったっけ。屋根があったのは幸い。

 

 

僕の真後ろが騒がしい。特設ステージに立つ演者が、得意のペン回しを披露している。姿勢を変えたいが。下は砂利。雨に濡れたタイヤとの噛み合わせが悪い。機微な動きができない。大ジョッキを一杯。トイレに行きたい。が、会場には仮設トイレ。健常者の為の物。僕の人権。

 

 

仲間も寒さに震えている。周辺の居酒屋を検索する彼ら。滞在時間は60分程で、次は立川南駅へと向かう。目的地はグランデュオのレストラン街。ああ懐かしい。当時、友達以上、恋人未満だった僕らは、健全なデートでよく訪れていた。遥か昔の出来事。ああ。戻りたいな――。

 

別名、リュックサックとも言う。もしくはザックか。背面で背負う、大きな収納袋のことね。用途は多岐に渡る。ビジネスや出張、旅行に登山、はたまたタウンユースまで。ではここで質問。賢明な読者の諸君は、バックパックにいくら投資できるかね。安かろうは悪かろうよ。

 

 

使用用途によっても、差異は生じるが。フラグシップモデル(高価格帯)とエントリーモデルでは、どこに差が生まれるか。例えば素材。軽くて丈夫な生地で作られたか否か。それによって、製品の重量に現れる。軽さは正義。あとは耐久性。良いモノを、より長く。即ちコスパ。

 

 

国内の人気ブランドと言えば。そうだね。ALPAKAとかAer(エアー)だね。相場は、3,4万円台と結構高い。一方で、世界に見る三大ザックメーカーと言えば、ミステリーランチ、グレゴリー、オスプレーらしい。いずれも、登山愛好時代に聞き覚えがある良質メーカーだ。

 

 

世間は世間。僕は僕だ。背負うのは背中ではなく、電動車椅子。だから、重量なんて気にしない。それより雨に強い素材か否か。最低でも撥水加工。可能であれば防水仕様。次にチェストベルトの有無。え。必須だろう。あとは収納面ね。前任は、使い勝手が悪かったからね。

雨の一日だった。寝ていたい。眩暈がしんどい。でも。そうは問屋が卸さない。通院の日だ。3か月に一度のね。吞んでいる薬が切れる。だから、日程の再調整なんて御免だね。電話なんて、したくないし(発声が難儀)。だから行く。新調したスリングバックを前に下げて。

 

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別称ボディバック。そんなに収納が必要か。バックパックだって、車椅子の座面に引っ掛けてあるじゃないかって。甘いな。良いかね。まずスリングバックには、アクセスの良い小物を中心に格納するのだ。例えば、スマホや財布、ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリー。

 

 

病院ではウンザリするぐらい待ち時間が長い。そんな時は、タブレットの出番だ。8インチサイズなら、スリングバックに収納できる。あとは診察後のカウンターで提出を促される受給者証の類も。これまでは、何度も姿勢を変えて、背面にあるザックまで辿らないとダメだった。

 

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あれ、リュックの必要なんて無いじゃんねとか言わないでよ。処方箋を受け取るじゃんね。薬局に行くでしょう。大量の薬を貰うわけじゃない。どうやって持ち帰る。え。足元のカゴはって。雨って言ったよね。折り畳み傘とか防寒着とか、色々と嵩張るのよ。ふう。疲れたよ。

巷では、インフルエンザが猛威を振るっている。そんな季節かって。例年は、もう少し寒くなってからだろう。しかもB型が流行っているらしい。インバウンドの増加と因果関係があるとか無いとか。利口な皆は、予防接種を受けたかな。僕も行ってきた。近所のクリニックに。

 

電話予約の必要が無い代わりに、問診票を書かされる。大抵は「はい」か「いいえ」に○をして次の設問に続く。大抵の人はね。僕は書いたよ。脊髄小脳変性症とね。しかも二度も。記入欄は恐ろしく小さい。翻って暴れる筆先よ。最近、字が汚くて参る。提出を拒むレベル。

 

 

暫く待つと、名前を呼ばれる。時は来た。診察室に入る。腕を捲られる。痛みは一瞬。普段のペインクリニックの臀部に刺す注射に比べれば、全然痛くない。医師が言う。お風呂は入っても良いですよ。「お酒は――」。少量なら大丈夫です。あと、激しい運動は控えるように。

 

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激しい運動って、何だろう。ウォーキング程度であれば、これに入らないのでは。だって、健常者の大半は、徒歩でここまで来ているのだから。でも、僕にとって30分程度のウォーキングは、ハーフマラソンに相応する。心拍数がぶっ壊れる。OK。今日はドクターストップだ。

現在、上映中のタイトルを含め、年内にあと2本は映画館でアニメ映画を観賞しようと考えている。チェンソーマンと、呪術廻戦だ。鬼滅の刃含め、アニメを全話見逃さず追ってきた。かつては、進撃の巨人を見続けていた。が、あまりにも長い。途中で頓挫してしまっていた。

 

劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK

(内容紹介)

巨人と戦う調査兵団の一員となり、命懸けの戦いを続ける中で自らも巨人となる能力を得たエレンは、人類の勝利に貢献しながらも少しずつ世界の真実へと近づいていく。やがて時は流れ、壁の外へと出たエレンは調査兵団の仲間と袂を分かつ。そして、無数の巨人を率いて、この世界の生きとし生ける者すべてを踏み潰す「地鳴らし」という恐ろしい計画を実行する。ミカサやアルミンら残された者たちは、世界を滅ぼそうとするエレンを止めるべく、最後の戦いに挑む。

 

空白の数年を埋め合わせるには、想像力が足りなかったようだ。エレンはどこへ。ミカサは年を重ねたな。リヴァイ兵長の凋落ぶりはどうした。他の主要キャラは誰だろう。ずっと疑問符が湧いては消えず、ストーリーに集中できなかった。これは僕が悪い。見続ける体力を。