今だけは、すべてを忘れて踊りましょう。 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

カラオケに行くと、次回のカラオケに向けて互いの課題曲を発表する機会が訪れる。乗り遅れる仲間には、楽曲を振ってあげる。同病の類と闘っている同年代の女性。なるべく音程の抑揚が少なくて、歌詞が前向きな曲は無いだろうか。探す。数時間後。見つけた。PVを眺める。

 


見覚えのある集団を見つける。特に、このアフロ。以前に取り上げた、彼はアツキじゃないか。RAB。リアルアキバボーイズ。プロのダンスユニットだ。普段はyouTubeを中心に活動している。僕は、古参のファン(保護者)。昔は5人組だった。今は9人で活動している。

 

 

ちょっと調べると、すぐに目当ての動画が見つかった。同じ楽曲を利用して、彼らなりの踊ってみた動画。僕の推しであるムラさんと、新加入の龍くんがいない。あとはゾマもいない。この、ランランルー(ドナルド)は誰だろうか。困ったら、コメント欄を覗くと良い。え。

 

 

ネスだった。ブレイクダンスのパワームーブが苦手で、その分、立ち踊りの表現力において無類の強さを発揮する。ちなみにタット(タッティングという、腕・肘・手首・手などの細かい動きを自由自在に掛け合わせたジャンルのこと)の分野で日本一に輝いている猛者。

 

 

おネスの表現力は、少人数である程に技術力がクローズアップされる。違うな。表情や立ち振る舞いにも、賛美が送られる。上の動画を見て欲しい。ネスと遜色ないパフォーマンスを見せるのは、当時16歳の新加入、龍くん。彼の成長スピードには舌を巻くよ。いや、まじで。

 

 

彼の戦場はHIPHOP。ブレイクダンスとは似て非なるもの。でも彼は、パワームーブもやってのける。軽々と。メンバーの得意技を日々研究しているそうだ。凄いよね。彼もまた、HIPHOPダンスで日本一になり、世界大会に出ている。彼らを見て、勘違いする。僕も踊れるかも。

 

 

本レビューの最後は、最新作をお見せする。珍しく、全員集合の様相。9人揃っての無機質なダンスではなく、一人ひとりの表現力が際立っている。その集合体。依存することなく、自立したメンバー。だからカッコいい。畜生。僕も病気でなかったら。何で今、一人なんだろう。