何気ない一言 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

他人とは相容れないなって瞬間は、誰にでもあるんじゃないかな。大事にしている推しを、鼻で笑われた瞬間とか。好きなテレビ番組を、勝手に変えられた瞬間とか。その刹那は怒り心頭。だが冷静になって欲しい。深呼吸。確認してみなよ。相手に他意は無いから。

 

僕もあるよ。天気が良い日中に、伯母から外歩きを催促されるんだけど、今日は散歩日和りだよだってさ。散歩じゃないよ。そんな気楽なものじゃない。ウォーキングだよ。苦行だってね。言わないけど。親父は、患者会のことを協会と言う。毎回。訂正するのも疲れる。

 

先日、電動車椅子に乗って最寄り駅まで出かけていた最中。進行方向には、70代か80代の貴婦人が4人ほど歩いている。僕の心境はこうだ。いいな。仲間と歩けるだなんて。追い抜く瞬間、最後尾の女性がボソッと呟く。あら。羨ましい。他意が無いのは分かる。でもね。