春の長雨の合間を縫うように。ランチ仲間の同病女子と、府中駅で待ち合せる。目的は激辛ラーメン。毎度の調布ではマンネリし、彼女から提案があった。辛い物が食べたいと。赤く辛い鍋を展開するお店が好きだったみたい。ランチ営業は都内に一か所のみ。早速、問い合わせ。
後日、丁寧なメールが返って来た。曰く、車椅子の方を歓迎する仕組みが作れていないとのこと。悪いのは僕だ。謝らなくて良い。悲報と共に、僕から提案する。美味しい激辛ラーメンなんて、いかが――。電動車椅子で入店できることは実証済み。あとは天気。一日後ろ倒しに。
ピークタイムは外に列が出来る程の人気店。3か月に一度の通院の帰りの度に、激辛と対峙してきた。今回も躊躇わず、最上級の鬼紅ラーメンを注文。友人は日和ったか、中級の紅ラーメンをオーダー。前回の通院時は、食べ損ねた。何か月ぶりか。あれ、こんなに辛かったっけ。
ハンカチで額から溢れる体液を懸命に拭っていると、友人が僕に囁く。「この後、時間あるかな。カラオケ行こうよ」。1日4時間の仕事は、開始から4日目にして早くもビハインドしている。でも大事なのは、目の前の友人だよな。リハビリにもなる。仕事は土日を返上しよう。
