カリンバ | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

病気を発症して以来、手先の機微な動きが厳しくなってきた。僕なんてマシな方だ。症状が深刻な方になると、指先が硬直したり、箸や筆を握る手がブルブル震えてしまう始末。そんな中、患者会活動の一環で、カリンバ制作のボランティア活動に参加。カリンバって何だろう。

 

 

カリンバとは、音を共鳴させるための箱や板に固定された細い金属棒を、指で弾いて演奏するアフリカを代表する民族楽器です。主に親指で弾いて演奏するため「親指ピアノ」という名称でも呼ばれ、材質やキーの数、並び方に法則がなく、世界には様々な種類が存在します。

 

このプロジェクトの母体となる団体とは、5年前に、シューキーパー制作でも関わっている。今回は更に我々の活動内容や、病気の実態を説明する機会を与えられた。僕のプレゼンパートは全体の半分。10分以上もの間、声を発し続けることはできない。ではどうする。どうすんの。

 

原稿をWordに起こす。校閲タブから読み上げ機能を選ぶ。すると、原稿をしっかりした声で読み上げてくれる。これをスマホの録音機能で録る。再生する際は、Bluetoothスピーカーに接続して大音量で。資料の作成は手慣れたもの。今回は動画を使用。目と耳で訴える作戦。

 

 

会議室に集まった30名余りのオーディエンスから、割れんばかりの拍手を頂いた。彼らの中には、目に涙を浮かべる者も。質疑応答では、沢山の質問を貰った。返答は、健常者である理事に任せた。その後のカリンバ制作も滞りなく完成。全員での演奏に、苦戦したのは内緒。

 

 

今回のプロジェクトに参加した理事や事務局員らで打ち上げ。会場からほど近い場所にある、世にも珍しいウイグル料理の専門店は「シルクロード・タリムウイグルレストラン」。会場まで、初台駅から徒歩で25分の距離(牛歩でね)。今日も頑張った。ご褒美のビールが美味い。