人事部と僕 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

栄枯盛衰とは世の倣い。人材ビジネスのキャリアを引っ提げて飛び込んだ、IT業界向けの人材紹介会社。ブティック型のベンチャー企業。入社した当時、社員数は片手で数えられる程。それが瞬く間に急拡大。要因は様々。経営戦略。採用活動。社内教育。独自の営業手法。

 

全てが大当たり。毎月ギネスを更新する。当時、グループ会社の傘下にあり、他社の赤字を補って余りある大貢献。社内の発言権も増していく。が、そんな折。僕の病気が発覚する。コンサルタント業務からの撤退。そして退職。大好きだった仲間たち。彼らは散り散りになるが。

 

 

その後、三度の転職と100社を超える不採用通知を経て、以前の職場に呼び出される。当時の仲間の一人から、親会社の人事部で募集があると聞く。体調を鑑みて、週3日勤務のアルバイト採用。気にならない。仲間と日々のミッションが欲しかった。以降、景色に色が戻った。

 

 

人事部が所属する管理部門。これだけの仲間に囲まれて、仕事をする贅沢さを実感。僕のミッションは、子会社の中途採用と、社員研修が主。仕事は忙しかったが、それ以上のやりがいを実感。だってさ、自分が選んだ社員が自立して、会社に貢献するんだよ。感謝されながら。

 

 

僕はバイトのまま、会社組織での立ち位置を確立していく。企業の生存率をご存知か。20年続いた立派な会社だった。だったと言うのは、僕の退職後、オーナー経営者が体調を崩してトップを降りると決断。その後、他社に吸収される。屋号は今も残っているよ。でも、もう戻れない。