天国と地獄 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

僕が実家を出たのは、意中の女性から断られたのが理由。曰く、アラサーで実家住まいは気持ち悪い、らしい。当時、実家に住んでいたのは、病気の母親を気にかけていたから。職場までは電車で片道1時間。徒歩で20分。不便っちゃ不便。長男だから我慢できたけど。

 

その後、母親が施設に入居したのをきっかけで、実家を出た。2013年の2月だったかな。その後はまさに、水を得た魚よ。初めて住んだ世田谷区経堂。魅力的な街だった。素敵な飲食店。お洒落な女性。楽しかった。職場までも近い。これが一人暮らしか。まるで夢心地。

 

 

しかし一方で実家が恋しくもなる。当時は確か、交際相手もいなかったはずだ。2014年の5月。仕事も安定してはいなかった。こうなると一人は寂しい。その後、転職先に恵まれた。程なくして、婚約者となる女性との交際をスタートさせた。あの頃が天国なら、今は地獄。