ビジランテ | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

救われない映画を観たい。エンディングの方向性の話ではない。作中において、今の心境を代弁してくれる映画と出会いたいのである。Amazonプライムビデオのお薦めタイトルから、何んとなしに選んだのがコレ。R指定。出演陣から漂う負のオーラ。何だろう。期待しちゃうやつ。

 

ビジランテ

(あらすじ)

閉鎖的な地方都市で、三兄弟の次男・二郎(鈴木浩介)は市議会議員を務め、三男・三郎(桐谷健太)はデリヘルで雇われ店長をしており、彼らは全く異なる世界で生きていた。ある日父親が他界し、行方をくらませていた長男・一郎(大森南朋)が30年ぶりに帰郷する。一郎は、遺産は自分のものだと主張するが……。

 

期待通りの雰囲気だった。地方都市にありがちな閉塞感。そこにある権力争い。巻き込まれる三兄弟の遺産相続争い。性の生々しい描写。暴力の痛々しい表現。少なくとも、彼らは懸命に生きている。なのに何だろう。全体的に灰色である。色が無い。そして未来も見当たらない。