パリ・サンジェルマンvsバイエルン・ミュンヘン@UEFA CHAMPIONS LEAGUE | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

日付は月曜日の明け方である。日本中が寝静まった時分にしかし、欧州は、否、地球上で最も熱い祭典が幕を下ろそうとしている。このコロ助騒動により、当初は開幕さえ危ぶまれた欧州クラブサッカーシーンの最高峰、チャンピオンズリーグ。ベスト8からノックアウト方式を採用。

 

僕は幼少よりサッカーに慣れ親しんでいる。協調性と闘争心を学んだ。今は専ら観る専門だが。さて今大会もサッカーファンの友人と3人で、優勝予想に居酒屋代を賭けた。僕はフランスの雄、P(パリ)SG。このチーム、国内リーグでは無敵の状態で、更に全員が仕上がっている。

 

フォーメーションは4-3-3。脅威となる前の3枚は、アルゼンチン代表のゼ・マリア。フランスの若き傑作ムバッペ。ブラジルの王様ネイマール。彼らを指揮するトーマス・トゥヘル監督により、個人技に頼るサッカーから、規律と戦術を重んじるサッカーへと変貌を遂げた。全員が走る。

 

 

一方のバイエルン・ミュンヘンもまた超強力。所属するブンデスリーグにはもはや敵がおらず、リーグ戦20連勝、更には今大会もここまで10戦全勝。記憶に新しいバルセロナ(ベスト4)との一戦は、8点を奪って相手を沈めた。前線から最終ラインまで隙が見当たらない。まさに無敵。

 

 

ここ数年、決勝戦をウォッチして、期待を下回る試合が多かった。互いの良さを消し合う戦術を採択し、消極的な試合展開になることが多かったからだ。だが、この試合は違った。本当に面白かった。キーワードは3点。「敏捷性」「運動量」「フィジカルコンタクト」。世界基準を知る。