電話相談 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

毎週木曜日は事務局勤務。この病気の患者会(認定NPO法人)の担当役員の話。僕は事務局長である。貧乏な組織なので、役員報酬なんて気前の良い話はない。理事に誘われたのは、今から2年前のこと。誰かがやらなければならない。務まるのならば、喜んで身を捧げよう。

 

事務局当番日は、2名の職員と業務を全うする。午前中は、有志で手伝いに来てくれる女性と4人で、隔月にて発行している会報誌の封入および発送作業。午後は一転して事務作業。1ヶ月分の経費の確認の後は、前回の理事会議事録と、次回の理事会の招集状を出力する。

 

そんな折、電話が鳴る。会員の男性による、交流会の開催に関する問い合わせだ。職員が対応する。残念ながらコロナ禍によって暫くは中止が続いている。落ち込む男性。目線を僕に配る。当事者の事務局長に代わりましょうかと。ここは僕の出番である。努めて明るく対応する。

 

 

病名が判ってから日が浅い高齢男性。例えば3年後や5年後、私はどうなってしまうのでしょうか。そんな質問を、これまでも多く投げかけられた。回答する。「この病の進行はとてもゆっくりしております。加えてリハビリを継続すれば、今の運動機能が急激に衰えることはありません」。