14.70キロ | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

昼を過ぎた時分、実家に単身、帰省した。愛犬が尻尾を振り回して出迎えてくれる。一人暮らしのマンションでは、気分に抑揚がない。程なくして、伯母が帰ってくる。父親は今日もサッカーの審判員で夜分の戻りだそうだ。束の間の休息の後、ジョギングスタイルに着替える。
 

 

スポーツマンの父親は、だらしのない体型を忌み嫌う。部屋で筋トレに励んだり、意識的にジョギングに出る格好を見て育ってきた。一方で、料理上手の伯母が、僕の歓迎にご馳走を振舞ってくれる。戦々恐々とする。夕刻を迎え、外気は夏日のそれを下回っただろうか。

 

 
いつものジョギングコースの、更にその先まで。結果、14.70キロを走破した。タイムやペースは、とても誇れるものではない。だが僕は難病患者だ。確定診断を受けた当日、5年後には車椅子と言われた。担当医に対する反骨心が、僕のモチベーション。あと父親。太ってはダメだ。