連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「学習院幼稚園・初等科⑷」 第六章 無宗教系附属編⑤
『学習院初等科の育ち』
幼稚園から学習院で育った子供たちはほぼ全員初等科に進学します。初等科から入学する生徒の保護者層も庶民的とは言えませんが、幼稚園と比較すると特別感はありません。私の教室でも合格者のほとんどが出身者ではありませんし、名家が条件ということもありません。
ただ保護者の属性で言うならば、大手の新日鉄などの基幹産業や元国営企業、銀行ならば日銀や三菱東京UFJ、商社なら三菱商事…と日本を代表する企業に代々勤務してきた一族が主体です。
他には全国的に名が売れたデパート等に出店する規模の老舗の商人家系、学者や芸術家も珍しくはありません。他の附属の中では雙葉との共通点を感じますから、一般的な見方でなら特別感は否めませんが…
初等科の男子の制服は軍人の制服を基にしたような、詰襟が高く多数のホックが内側に付いているもので、姿勢が悪い者にとって着心地の悪いものですが、慣れるまでに時間がかかります。慣れた頃には立ち姿や歩く姿勢が学習院らしいものになっています。
櫻咲く時期、初等科の新入生が大きめの制帽と制服やランドセルを小さな体に身につけ、母子で通学する姿を四谷見附界隈でよく見かけますが、その姿は見ていて微笑ましいものですが、彼らが背負っている親の期待や家系の重みは、彼ら自身が将来乗り越えなければならないものだけに、心中で「頑張れ!」といつも声援してしまうのです。