連載 幼稚園・小学校受験 合格バイブル
「青山学院⑴」第五章 プロテスタント附属編④
『濃い学歴代表』
濃い学歴度 ★★★★★
保護者属性度 ★★★★★(3保)
★★★★☆ (小)
大学受験度 ★☆☆☆☆
青山学院は明治七年(1874年)にアメリカのメソジスト監督教会から派遣された宣教師スクーンメーカー女史が、津田仙等の協力を得て、麻布に開校した「女子小学校」に創立の源があります。その後、青山に移転し明治二十七年(1894年)第二代本多庸一院長の時に青山学院と改名されました。
青山学院幼稚園は、昭和三十六年(1961年)に二年保育からの幼稚園として設置。その後、平成六年(1994年)から三年保育を開始し、平成十二年(2000年)の入試から二年保育の受験を廃止し、三年保育のみの募集となっています。
青山学院初等部は、昭和十二年(1937年)青山学院緑岡小学校として開校され、その後昭和二十一年(1946年)青山学院初等部となります。
ブランド校御三家の一つである青山学院は、プロテスタント校の中でも極めて私立らしい特色を持つ学校(園)です。
幼稚園は珍しく式服以外は制服が無く、園内で活発な活動をするので汚れても構わない普段着を着用している上に、保護者もカソリックの母親に多い紺中心の清楚なイメージの洋服というよりカジュアルな装いなので、通園風景だけを見て青山学院の園児と判断できる方は少ないでしょう。父親が付き添っている姿をよく見かけるのも特徴で、父親が頻繁に足を運ぶ青山学院らしい通園風景です。
初等部は制服があるのですが、公立的な紺色の帽子と襟無しブレザーに色指定の無いズボンやスカートで、他校の制服らしい制服とは異なる雰囲気を醸し出しています。「他者と共に生きる」生き方を身につける場として、活発な活動の多い、リベラルな校風を象徴するような制服と言えるでしょう。
幼稚園では、東洋英和と同様に発達を早くさせる為の刺激を好まず、自然な発達を待つ教育なので、幼いタイプの男子などは特に初等部進学時でも幼いままの姿を維持しているのが特徴で、これは他のプロテスタント校(園)も似た傾向がありますから、プロテスタント特有のものと言えます。
保護者も子供と共に生きる過干渉タイプが多いので、発達が遅くなることに対して心配する方も少なく、男子の親はかえって喜ばしい事と感じているのではないかと思う事もあるぐらいです。
共学ですから発達の早い女子との精神面の差は高学年まで継続しますが、素直で子供らしい姿は微笑ましいものがあります。「神を知り」「神を信じ」「神の愛に応える」人格の形成を目指す青山学院にとっては、宗教教育を受け入れやすい素直さを持つ子供達の方が、理屈っぽい大人びた成長の子供より好ましい存在かもしれません。