連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「東洋英和女学院⑵」 第五章 プロテスタント附属編③
「敬神」
心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。(マルコによる福音書 第十二章三十節)
「奉仕」
隣人を自分のように愛しなさい。(同 第十二章三十一節)
『六本木の聖地』
校風については中学の御三家の一つである女子学院に最も近いので、東京の方にはイメージできるかもしれませんが、将来的に留学、就職、結婚等々を本人の意思に任せる保護者が多く(強制しようにも、ポジティブな生き様の生徒が多いので、本人が勝手に決めている例が多いのですが)、保護者のタイプで言うならば、海外転勤の多いリベラルな生活を好む商社マンの家庭です。三菱商事というよりは三井物産的と言えば理解しやすいかもしれません。
立地が六本木と麻布十番の間の為、繁華街に近接していてご両親がよく心配されるのですが、一度足を運ぶことをお勧めします。一帯が都心の聖地とも言うべき場所であり、よくぞこの地に存続できたものだと感心されると思います。存続できたのは、信仰の力と多くの卒業生の支援の賜物です。
以前、中大、明治、法政が附属小学校の設立計画を以前発表しましたが、すべて都心から離れた校外での設立予定でした。(リーマンショック以降の不景気で話が進んでいません)
都心の雑多な環境で子供を育てる事は、地方育ちの方にとって馴染めない事かもしれませんが、保護者会等における父母の着こなしや身のこなしに繋がる、洗練された都会育ちの女性への成長を希望されるなら必要な環境だと思います。
青山学院のような行事の多さや、保護者に対してのサービス豊かな関わり方は少ないのですが、大手の会社勤めの保護者にとっては丁度良い関係だと思います。父親の会の交流もありますし、水曜日の全職員と生徒の礼拝などプロテスタント校として必要なものは揃えられています。
施設面の充実は文句のないところですし、泥臭さのようなものを全く感じさせない洗練された佇まいを感じる人的環境です。東京在住の大手法人家庭にお勧めの附属ですが、大学受験で好結果を持っている英和に対して正しい認識を持つ保護者方が少なめであることが私にはとても残念で、白百合や雙葉を私立の大学受験校の代表と思う家庭に学校説明会や書籍などを通じて、もっと英和の価値を知って欲しいと思っています。また、保護者層の教養度の平均値が高く、家系の良さからかもしだされるアカデミックな保護者が多いことが英和の最大の特徴であり、海外へ留学する学生が多いことも知られています。東洋英和の育ちがグローバルな社会で必要な人材を生み出しているのは間違いなく、大学受験校としての評価以上に育ちの価値に目を向ける必要があるでしょう。