My favorite things ~小たつの場合~ | 慶應義塾大学公認学生団体落語研究会公式ブログ ―慶應落研日記―

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どうも、まだ現役落研部員の小たつです。やめてません笑。まだいます笑。春学期中に一度は顔を出したいと思っている所存でございます。どの代の小たつもこんな感じなのかと言われたら全くそうではなく、おそらく僕だけ(笑)ですので、しっかり何代目か名乗り、先代の方々と区別して迷惑をかけないようにしたかったのですが、自分が何代目か分からなくて困っておりました(~_~;)。☆★☆★もうどうしようも無いですね★☆★☆

ブログを書く前にそもそも名乗る段階で詰んでいたんですが、そんなときにふと目に入った「慶應落研七十年史」。こんな形で役に立つなんてww 「桒原小たつ⑰」とありますから、私は17代目ということですね。それでは改めて、17代目小たつです。よろしくお願いします_(._.)_

 

 早速本題に入りますと、こんな幽霊部員の私に慶馬様からお話をいただきまして、落研部員の「好きな音楽」を書いていくこのシリーズに参戦することとなりましたが、私小たつ、実は普段Club DJとして活動しておりまして、DJといえば音楽を武器にMIXで新たな音を作り出すクリエイティブなものですから、このテーマでは無限に語ることができます笑。とはいえ、好きな曲10曲しか紹介できないそうなのでできるだけ濃~い曲を話していこうと思います。あくまで僕の一意見として気軽に読んでいただけたらです。

 

 と、その前にもちろん慶馬さんの「好きな曲10選」全て聴かせていただきました。同じ曲を紹介してしまう可能性もありますからね笑 !いやぁ~しかしどれも心に染みる良曲でした。ハードロックから、ジャズハウス、J-POPまで幅広く聴けて、自分の中で新しい世界がひらけたような気がします。もちろん知っている曲もいくつかありまして、Bernard HermannのMain Titleは毎年ハロウィーンにDJ Mixを出しているRL Grimeのセットに使われていまして、それを思い出した時は勃ちました。それだけでなく、Highway Starのあのドラムロールからのギターソロはさすがに声が出ましたし、Electric Light Orchestraはシンセサイザーの素晴らしい音色につられてそのままアルバム最後まで聴いてしまいました笑。あと夏の黄金比から判明した、慶馬さんのコントレックス箱買いは少し意外でしたね、、、、あの美意識の塊みたいな飲み物は落研には似合いませんから笑。好きな曲はその人の隠れた一面も表すということで、早速行きましょう。

では皆さん、イヤホンまたはヘッドホンのご準備を。

 

 

 好きな曲ベスト10

1. Alan Walker – Faded(2015)

 

10曲しか紹介できないのなら、みんながあんまり知らないけど名曲◎みたいなのを紹介しろよ !とか、1曲目からこんな暗い曲紹介するなよ !って話なんですが、この曲を中2で聴いたときの衝撃は忘れられず、その後の僕を狂わせました。

この曲はいわゆるEDMというジャンルの中で最もYouTube再生回数の多い曲で、その再生回数は現在36億回となっているとんでもないヒット曲です。僕が中学生の時は、「ローリングスカイ」やら「ピアノタイル」やら割と初期の方のスマホゲームが流行っており、ゲーム内BGMとして電子音楽が使われていたことから、こういう曲をよく聴いていました。まだ親の監視下でしか使えなかったインターネットへの憧れを抱き、1日30分のタブレットの時間をゲーム、YouTubeで費やし、その電子音を耳に残して再び机に向かう。そんな日々の中でとうとう僕は、無機質な電子音から感情を検知します。それがこの曲でした。「不安」「寂しさ」をそのまま楽譜に翻訳したような暗い音から始まり、Where are you now?の歌詞も消えそうな歌声もその感情をエスカレートさせる。そしてドロップ(EDMでいうサビ)に入ると感情は爆発し、まるでこれまでのすばらしい思い出を走馬灯で見ているかのような気持ちにさせられ、ついに曲の終わりにはイントロと同じピアノが流れて死を彷彿とさせる。当時の僕はこれで涙を流しました。音に感情を支配されたこの感覚はあれから二度と忘れられず、僕はEDM沼に足をぶち込むことになります。

当然技術的にもこの曲は優れていて、2番のドロップ前に使われているボーカルチョップ(ボーカルを細かく切り刻んでいい感じにぶち込む)がなかなかえぐいです。ボーカルチョップだけで見ても完成度がだいぶ高いんですが、それがだんだん苦しくなっていって言葉を発せなくなるという曲のイメージにも完璧にマッチしていてもう言うことなしです。この曲はタイトルは忘れましたが、日本のドラマの挿入歌としても使われたこともあります。この感動をもたらすサウンドは世界共通のものであるってことですね。

 

2.Skrillex & Diplo – Where Are Ü Now (with Justin Bieber)(2015)

次の曲はジャスティン・ビーバーとスクリレックスの最強のコラボ曲Where Are Ü Nowです。また有名曲じゃねえか。こちらはYouTube再生12億回ほど。Justin Bieberはご存じの通りWhat Do You Mean?やSTAYで爆発的なヒットソングを生み出し続けている男。Skrillex、Diploはどちらもダンスミュージック界で大活躍しているアーティストたち。この完璧なメンツで作られる曲が素晴らしくない訳ないよね、っては、な、し♡。

おい待て、小たつ。さっきの曲も似たような歌詞じゃねえか、って思った人もいらっしゃるのではないでしょうか。まあ確かにそうなんですが(^◇^;)。DJはLyricで曲をつないだりするので…という言い訳はさておき、こちらはこちらでメロディが恐ろしいことになっています。まずSkrillexという男、こいつは化け物級の天才です。宇多田ヒカルともFace My Fearsでコラボをしていますが、もともとメタル系のロックバンド出身で、その激しいサウンドを電子音楽に取り入れ、2011年には3部門でグラミー賞を受賞、つまり2010年代初頭にEDM界の最先端にいたんです。が、なんと彼は今もなお最先端を走り続けています。

2023年には二日連続でアルバムをリリースし、今年2024年にもグラミー賞を受賞しています。頭おかしいです。EDMは電子音を組み合わせて作りますから、当然組み合わせには限界があります。そのためEDM全盛期を終えた2010年代後半はもう何を作っても既存の曲に似てしまうという現象が起き始めます。しかし彼はあらゆる手段を使って音を開拓しつづけているのです。

この曲にも彼の素晴らしい発明が表れています。この曲は2015年のJustinのThe mostをサンプリングしたもので、ドロップで鳴っている中毒性の高い金属音のようなサウンドはJustinの歌声を加工して作られています。原曲のNeed you the mostというボーカルのキーを上げまくってできたこの音は彼らの創造性の高さをまんま示しています(こんなの普通思いつかんて笑)。詳しくはこのリール動画を見てください。

https://www.instagram.com/reel/C6HI-R9O9tO/?igsh=MXZpanppN2NhcjZtYw%3D%3D

 

3. 5 Seconds of Summer – Teeth (2019)

かっこいいベースから始まるこの曲は5SOSが提供する麻薬。スタッカートなリズムは自然と体を縦に揺らし、歌詞はハラハラする愛の攻防戦。たまにクラブでカップル多めの時に流すとそのまま何組か夜の街に消えていく。唇は柔らかくても、歯はするどい。まさにその対比を歌ったもの。ああこんな恋愛がしたいなぁぁぁ。エロい洋楽聴くことで、AVがチープなものに見えるんじゃないかと思って、エロい洋楽オナ禁を試みたことがありましたが、全く効果がありませんでした。視覚は偉大です。

 

 

4. Mili – world.execute(me); (2016)

この世の終わりみたいな曲です。まず曲名がプログラミング言語。世界が「私」というコマンドを実行するという意味です。Miliはボーカル以外日本人なので、これはJ-POPでいいですかね笑。これまでは曲の音について着目していましたが、この曲は歌詞がキモいです。

If I'm a set of points, then I will give you my dimension

If I'm a circle, then I will give you my circumference

If I'm a sine wave, then you can sit on all my tangents

If I approach infinity, then you can be my limitations

理系のヲタクが考えそうな歌詞ですよね。この4行目の歌詞を僕がプロポーズに使おうと思ってるのは内緒ですが、、、まあ実際にそういう曲です。コンピューターが愛とは何か理解しようとする曲。なので歌詞には条件式でおなじみのIfがいっぱい使われていたり、これ以外も歌詞を見ればコンピューターならではの用語がいくつも使われていたりします。それによってこの曲の世界観はより確かなものになっており気持ち悪さが倍増します。Miliの曲はこんな感じで世界観がすごい曲が多いです。病んでないと作れない系ですね(~_~;)。

そしてこの曲の一番気持ち悪いところは、歌の途中でexecuteの意味が変わるところです。当然Java Script上でのexecuteの意味は「実行する」ですが、みなさん受験期を思い返してください。あ、すでに思い出してますか笑。sinやらtanやら出てきてますからね笑。

Executeには「処刑する」という意味がありましたよね?どんなコマンドを実行しても愛を解明できなかったコンピューターが壊れて途中から人を殺そうとします。胸糞ストーリーですが世界観としては悪くないです。

またこの曲はMVも芸術的です。MiliのMVはトラウマ級のものがいくつかありますが、まだこれはマシな方。隠れた仕掛けがいっぱいのMVになっています。受験期の僕はこれをきいてニヤニヤしながら勉強しておりました(それの方がこの曲の何倍も気持ち悪いです)。

 

5.J-REXXX – 最近の若いやつは(2014)

レゲエDeejayのJ-REXXXの曲。Deejayとはなんぞやって方もいると思うので補足しておくと、ヒップホップを歌う人をラッパーというように、レゲエを歌う人をDeejayといいまする。これはいわゆるDisk JockeyのDJとも別ですね。なんでこんなわかりにくいんだって感じなんですけど、最初に言い始めたやつが悪いです。有名なところだと韻波句徒でおなじみのCHEHONもDeejayです。僕の中で日本のレゲエを紹介するってなったらこのJ-REXXXかなと思い、あとは男尊女卑っぽさがあるっていう理由でこの曲になりました笑。他にもAPOLLOとかSPICY CHOCOLATEなどもおすすめです。

皆さんはどんなときに大人になったことを実感しますか?すれ違うたびにお菓子をくれた近所のおばちゃんが何もくれなくなったときですか?それとも初めてスーパーでビニール袋がひらけず指の乾燥を感じたときですか?僕は最近の若いやつは、これを言ったときですかね。そのThe老害の台詞がこの曲のメインですが、それを少しコミカルに扱っているので気持ちよく聴けます笑。これを聴いてた高校生の頃は、少し大人の気分を味わいたい時に流していたのを思い出します。

ところで私SA○IXでバイトしてますけど、小四とかのガキが一人前にスマホ持ってるの見ると、ほんと腹立つんですよね。俺なんて買ってもらったの高一だぜ?ガキの頃はもっと公園で遊びなさい。全く最近の若いやつは、、、、、、

 

6.赤い公園 – Highway Cabriolet (2019)

このバンドの作詞作曲をしていた津野さんは、SMAPに曲提供をした過去もある実力者。同じ高校の同期で結成したこのバンドは途中ボーカルが替わったり、途中で活動休止したりといろいろありつつも、どんな曲でも一曲の中にぜったいに唸るようなLyricがどこかに入っている。この曲だと1番のサビのラスト。2020年に津野さんが亡くなった後に出た遺作のEPは、とてつもなく感動をもたらした。そして2021年の解散ライブへは参戦を大いに決意していた私だったのだが、なんとその日に駿台の全国模試が入ってしまい、親の大反対でいけませんでした(大泣き)。

 

7.Porter Robinson & Madeon – Shelter (2016)

日本のKawaiiという言葉、これを世界に広めたのは言うまでもなくあの中田ヤスタカさんです。表舞台ではPerfumeとかきゃりーぱみゅぱみゅとかが有名ですが、実はKawaii系の音楽はアンダーグラウンドなところで流行していき、さらにアニメの文化とも融合してさらに日本特有のインターネット音楽を進展させていきました。これに影響を受けた海外アーティストが日本にカウンターを決めてきます。それがこの曲です。

この曲のドロップの完璧なボーカルチョップにエモーショナルなサウンドはもう申し分なく、さらにMVは日本のアニメーション制作会社と協力して作られており、完全に日本でのヒットを狙って作られたものです。ここまで狙った通りにヒットする曲はなかなか珍しいもので、完成度の高さはもちろんですが、日本人の嗜好を100%読まれてしまっているようでなんだか悔しい気持ちにもなります。

 

 

8.Fred again.. – Delilah (pull me out of this) (2022)

はい、天才の登場です。Fred again..は言うまでもなく現在のUKの音楽シーンを代表するDJ兼プロデューサーです。これまでにEd Sheeran、BTSなど数々の大物アーティストの曲を手掛け、少し前に特徴的なステップでフェス盛り上げるコラ動画が大量に量産されたその元となるLil Yachtyともコラボ曲stayinitを出し、先述のSkrillexとの共作Rumbleでは2024年にグラミー賞を受賞。ライブもDJとして出演したり、生演奏を披露したりと一発本番でもやりきっちゃうメンタルもつよつよの怪物です。そんな彼もコロナ禍にはリアルの音楽シーンが激減し、病みます。自身の自撮りがジャケットのActual Lifeシリーズをコロナ期間に出しますが、曲名が日にちだったり、人の名前だったり。今回選んだ曲はActual Lifeシリーズ3作目のDelilah (pull me out of this)です。この曲のボーカルはDelilah MontaguのLost Keysから持ってきており、原曲のボーカルのニュアンスを残しつつ、それをダンスミュージックに落とし込む。どこか悲しさを含みつつも、喜びにも聞こえる、聴く人によって姿を変える変幻自在なサウンドが彼の音楽性の高さを見せつける。Fred again..はこれからも活躍が期待される注目の人です。

 

9.Knock2 – Rock Ur World (2023)

僕がしばらくLINEの着うたにしてるやつです。Knock2は2020年に入ってから頭角を現してきた男で、Mainstageのダンスミュージックを聴いて来た人なら誰しも名前の知っているアーティスト。まだ出てきて数年ですが、すでに大型フェスの準レギュラーとなっており、StayやBeautiful Nowで有名なZeddとのB2B(二人で交代でDJをプレイすること)も決まりました。皆さんのEDMのイメージはドロップに向けてだんだんスネアの間隔が短くなっていき、一気に盛り上げるものだと思います。が、こいつの曲は違います。この曲を聴いてもらえれば分かるように、ドロップがはじめの拍からいきなり始まるのではなく、最初

に超エモい音が8拍流れた後にドロップのキックが始まります。これをフェイクドロップって言うんですけど、このフェイクドロップでイケる曲を量産しているのがこいつです。この8拍で全ての感情が爆発する感じがほんとにたまらないです。脳汁がたっぷり出るのを実感できます。

 

10.Avicii vs. Nicky Romero – I Could Be the One (2013)

今は亡き天才AviciiとToulouseで大ヒットしたNicky Romeroの共作です。1stドロップがAvicii、2ndドロップがNicky Romeroのパートであることは二人の他の曲を聴けば音でわかります。Aviciiの曲は歌詞からメロディまで完璧に作り込まれている最高の曲ばかりですけど、MVもまた見応えがあります。このMVは一層就活への意欲がそがれるすばらしいビデオです。AviciiはWake Me Upなどで有名ですが、Nickyも同じくEDM全盛期を背負った人物です。当然EDMのブームは日本のアーティストにも影響を与え、2014年にはセカオワのDragon Nightが大流行しました。これはサビがEDMになっていますが、これを手掛けたのがNicky Romeroです。意外と繋がっているんですよね笑。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。自分がいままで聴いてきた曲たちをすべて振り返る貴重な機会でとっても面白かったです。この後も落研部員の好きな曲紹介は続くと思われますので、どうぞ今後もよろしくお願いします。