引っ越しと真剣な話 | オーストラリア子連れ冒険記

オーストラリア子連れ冒険記

シングルマザーになり損ねた脳腫瘍を患った日本人ママが、子ども二人を連れてのオーストラリア珍道中冒険譚。

さあ、オーストラリアに来て

2度目の引っ越しです。

 

アジア人のシングルマザー1人での

引っ越しは大変だと思っていましたが

英語学校で仲良くしてくれていた

韓国人のルースという女の子が

韓国人の引っ越し業者を探してきて

1日中引っ越しを手伝ってくれました。

オーストラリア人の引っ越し業者とは

違って、テキパキ ものすごい勢いで

働いてくれました。前回、ほんの

少しの荷物を、休み休み何時間もかけて

移動させたオージー達に 爪の垢でも

煎じたいほど、すごい効率の良さでした。

引っ越し業者さんは 時給で換算するので

早く終われば終わる程、お安くなります。

料金も激安になり、韓国人男性の

賢く真面目で誠実な働きぶりに

将来の韓国の未来は安泰だな〜♪

と、お隣さんの芝は

青々と繁って見えたのでした。

 

あっという間に、新しい家にスッキリと

引っ越せたので、その夜は ルースに

食事をご馳走しながら、初めて

ゆっくりと2人でお喋りをしました。

 

彼女は 牧師さんになる大学に行く為

アカデミックの英語の勉強をしていて

韓国で不良少年少女を更生させる為の

教会で牧師として働くのが夢でした。

 

いつもは私に子供がいて、

バタバタしていたので、こんなに

ゆっくりと2人で話す事はなかったので

色々な話をしていたら、いつの間にか

戦争中の話題になりました。

韓国人と日本人で話していると、必ず

こういう話題に持ち込まれてしまいます。

私の中では、こういう話題は韓国人とは

タブーだと思って避けてきました。

でも、彼女は私にとても優しく

良くしてくれていたので、一度

本音で私の気持ちを伝えておこうと

思いました。

 

ルースは「日本は戦時中

とても残酷な殺し方をしたんだよ。

韓国にはその記念館もあって、見学して

本当に酷いと泣きました。日本人は

私達に謝るべきだと思う。」

と言いました。

韓国の人たちは、学校で反日教育を

受けているので、皆当たり前のように

こんな風に日本人を責め立てます。

 

私は仲良しのルースには

本当の気持ちを分かって欲しくて

心を込めて誠実に話しました。

「同じ日本人として本当に

申し訳なく、胸が痛いよ。でも

私が直接殺したのではないし

ルースも親や兄弟が殺された

訳じゃないよね?それでも

私がルースに謝らないといけない?

戦争もしていない日本人の若者が

戦争を経験してない韓国人の若者に

謝り続けなきゃいけない??」

「残酷でない殺し方って

どんな殺し方だったら良かった?」

「私はよくは知らないけど、

戦争中は、どの国だって残酷だった

んじゃないのかな?」

と言うと、初めて日本人の本音を聞いて

びっくりしたような顔でしたが、最後は

何も言わず、納得してくれたようでした。

ルースは 牧師さんになりたいような

出来た人間だったから、こうして

分かり合えたと思いますが、普通は

こんな風にはいきません。

 

アカデミッククラスの討論の時間に

あるオーストラリア人の先生が、

「韓国人と日本人は、戦争の事で

問題があるって聞いたけど・・・?」

と、何気なくクラスのみんなに議論を

させようとした時がありました。

日本人は一様に、「この話題か〜」と

気まずい困った顔をして黙りました。

そのアカデミッククラスでは

よく勉強していて、知的で冷静な

将来の韓国を背負って立つような

韓国人男子生徒が数名いたのですが

その中の聡明で快活な1人が

「私達には、確かにお互いに

辛く苦しい過去があります。

でもそれは今の平和に繋がる道でした。」

と明るく答えてくれたのです。

と、クラスのみんながわーっと

笑いながら大きな拍手をしました。

 

あの若かった彼らは

反日に揺れる今の韓国で

どんな大人になってくれているのか

ちょっぴり気になる所です。。。