オーストラリアの週末は、
子供達のお誕生日の予定で
毎週のように埋められます。
親は子供のお誕生日会を様々な趣向で
楽しませようとします。
初めて、お呼ばれしたお誕生会は
小学校からかなり遠い所で
カンバセーションクラスで培った
電話でバスでの行き方を聞くという
……方法は、トラウマなので💦
オーストラリア人の叔母に頼んで
調べてもらい、何とか行き方と
地図は把握していたのですが
お誕生日はいつも週末ですので
その日も、当然土曜日で、バスの時間は
めちゃくちゃになっていました。
そういう訳で、予定していたバスがなく、
カンカン照りの中、ほとんど歩いて
おうちまでたどり着きました。
オーストラリアの子供のお誕生会は
子供だけでなく、大人も食べ物や
自分の分のアルコールを持ち寄ったりして
親子で1日楽しみます。
そのお誕生日は初めてだったので
全く分からず、大人も行くならと
手土産にワインを１本持って行きました。
そして「ご招待下さりありがとう
ございます。」という英語を覚えて
息子と娘と私の３人でお邪魔しました。
そこに到着すると、金髪の女の子が
「〇〇ー！！」と娘に飛びついて
手をぐいぐい引っ張って息子と３人で
どこかへ行ってしまいました。
私は出迎えてくれたお母さんとお父さんに
覚えて来た英語の挨拶をし、ワインを
渡しました。家に入ると、大きな
お庭とガレージのついた典型的な
オーストラリアの広いおうちでした。
色とりどりのテープや風船で可愛く
デコレーションされたお庭には
たくさんのご両親が集まって
思い思いにお喋りしていました。
机の上には、サラダやフルーツや
様々なお料理が無造作に並べられていて
お父さん方はビール片手に立って
お話をしていました。そこのお母さんは
とても面倒見のいい人で私を旦那様と
娘さんのおじいちゃんおばあちゃんにも
紹介してくれました。
こちらの挨拶は、まず頭を左に傾け
ハグをしてから、右左とほっぺに
「ムワッ、ムワッ＝チュッチュッ」
と言いながらお互いにキスします。
（初めての場合は、ほっぺにはキスしないで
顔を近づけるだけが多いです）
しかしながら、そういう初めて会う人との
ハグや、ましてやキスに慣れていない私は
ブルブルしながらぎごちなく受けましたが
自分から腕を回してハグするのは
どうしてもうまく出来ませんでした。
そこのお祖母様にもハグをされて
キスの挨拶をされたのですが、
日本では大人になってからは
親ともハグなどしていなくて、
旦那とさえ公の場でした事がなかったので
お祖母様とお祖父様にハグされて
背中をパタパタ（トントン）された時、
ものすごく人の温かみを感じて
ものすごく心が癒されました。
そして、お祖母様のそばに座らせてもらい
英語の分からない私に
ゆっくりとお話をして下さりました。
しばらくすると、お父さんが来て、
「どうしてオーストラリアに来たの？」
と聞いてくれたので、脳腫瘍になって
子供達と楽しみたくて…と説明していると
急に、張り詰めていた気持ちが緩んで
話しながら、涙で「うっ」と喉を詰まらせて
しまいました…。
すると旦那様とお祖母様が私を
抱えて下さり、背中をトントン
して下さり、久々に他人の暖かさを感じて
号泣してしまいました。お二人は
私の話を聞いていたので理解して
ずっとハグしてくれていたのですが
端から見ると、変な人だったと思います。
（人の旦那様にハグされながら
大泣きしているんですからね〜💦）
でも、他人の大人にハグされたことで
私は本当に癒され心からオーストラリアの
人たちに救われた気持ちでした。
オーストラリアの人たちが、いつも
明るくて人に優しくて、子供も大人も
幸せそうなのは、こうして他人同士でも
いつもハグしたりトントンしあったり
スキンシップが多いからではないか？
と思うようになりました。
この時の体験から、私は会う人が
大人であっても、日本人であっても
癒してあげたい人には、ハグを
する事にしています。そして
背中をトントンしてあげるのです。
大人も寂しいし、癒されたい時って
ありますよね！そんな時は
絶対、大人同士でもハグです！
日本人は恥ずかしがって、親子でも
スキンシップが足りないですよね。
私は、大きくなった息子や娘にも
オーストラリア人と同じように
ハグします。そうする事で
人間はこんなに癒されるという事を
この優しいご家族に教えて頂いたのです。
「身体に悪そ〜絶対早死にする〜！」
という食事をしている
オーストラリア人ですが
日本と平均寿命もあまり変わらず、
世界でも ４番目位に
長寿国である理由は、
気候や景色が美しい事と、
こうして大人同士でも
いつも癒しあっているからでは
ないかな〜？と本気で思うのです。