東北も梅雨に入り湿度が高くなる時期ですね。
この時期の貼箱の取り扱いが1年の中でもっとも難しい時期です。
紙の特性として気温が上がるほど柔らかく、寒くなると堅くなります。これに加えこの梅雨時期で普段以上にジメジメと湿度が加わりますと、紙はこの湿気を吸収します。
貼箱の場合、この時期の保管方法に注意が必要です。
化粧紙の種類によっては、まれに紙が湿気を必要以上に吸収しシワが発生する場合がございます。
この状態のままで気候の変化で湿度が下がりますとこのシワが浮き出たままで乾燥し残ってしまいます。


写真は弊社の実験で4月に作成した異なった紙質の貼箱を数点、
直射日光の当たらない湿度もそれほど上がらない部屋と、湿度の高い(高いときで70%以上になる)締め切った和室に置き、1ヶ月間経過を観察した箱のうちの1点です。
写真のように、湿度が必要以上のあがったり下がったりする部屋に置いた貼箱の中で1点だけシワが発生し、筋となって浮き出た部分が元箱から剥離している箱がありました。
今回の実験ではあえて極端な環境を設定して実験しておりますが、保管状況によってはまれにこの症状の発生する可能性があることをお伝えできたらと思います。
傾向として、水蒸気の多く発生する厨房や作業場、湿度の高い和室の畳の上、コンクリートなど汗のかきやすい床の上での保管は長期間同じ状態での保管でシワの発生率が高くなっています。
弊社でも、こういった問題が発生しないよう研究やテストを繰り返しておりますが、
「高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所での保管」をお願いします。
また、あらゆる保管状況を想定し、品質保証期間を納品日より3ヶ月とさせていただいております。
どうか、ご理解をいただきますようお願いいたします。
また、梅雨時期のこの状況下での貼箱の品質保持の為、
製造環境が弊社規定の高湿状態を超えた場合、品質保持の面からその日の製作をお休みする場合がございます。
お得意様におかれましては納期に余裕を持たせた上でのお早めのご注文をお願いする次第です。