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緒川千世
ビーボーイコミックスデラックス
⭐️

短編集
表題  
アラブの御曹司× 流浪の民

ピュアラブ 身分違い
ヤンデレ 近親相姦
学園

表題作
 ギャラバンの孤児・カマル(受)は、
ある日砂漠で死にかけていた男を救う。
しかし、そこ男を看病した助けたにも
関わらずその男は
カマルを物取りと勘違いし
冷たい言葉を残し
消えてしまいました。
 ところがある日
カマルの前に
男が現れ
「すまなかった
   そして命を救ってくれてありがとう」
と膝をついて迎えにやってきた。
立派な身なりをしたその男は
自分をアルファド(攻)と名乗りました。

瀑布のような落差のある作品集で
読後の今、プチパニックです。
表題作とそれを表す表紙は
アンデルセン『人魚姫』のハッピーエンド版
のようなエロ要素も少ない
ピュアッピュアなお話で
ほっこりさせられます。
な・の・に
その後の作品で
フリーフォールのように
ドカーンと
地の底に叩き落とされます。
(個人的には、ラクダ使いと~ 読んだ後
 日時をまたいでから、次の作品を読まれる事を
 お勧めします。)
私自身は緒川先生と言えば
『カーストヘブン』
なので、驚きはしませんが
なんの予備知識もなく
表題作のあらすじと表紙の絵を元に
購入された読者さんはびっくらするだろうな。

でも、
その後の
『いびつな欠片』
は、ヤンデレジャンルとしては
かなり秀逸
弱者のいびつな感情が
繊細に心に訴えてくる
美しく切ない作品だなぁと
思いました。
ただ、落差だけです。
こんなに私を苦しめてるのは。
この作品が
『カーストヘブン』に入っていたら
なんの違和感もないんだけども。
若手作家さんなので
一冊のコミックにまとめるのに
作品が少ないとしても
もう少しジャンルは
寄せてもらえると
こっちの心臓は
助かります。

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石原理
イァハーツシリーズ
⭐️⭐️⭐️

ヤクザの構成員 × 高校生

嘗ての親友、肉親より深い縁
再会
ヤクザもの
シリアス

シリーズ2作目
『テッペンカケタカ』
読んでから来てください。

小さい頃は同じアパートで暮らし
互いが同じ半身と信じて共に
過ごしていた
とら(攻)とさくら(受)
けれど、さくらが15歳の夜
とらは何も告げずに
突然姿を消した。
あれから2年。
高校生になったさくらの前に
成長して男らしくなった
とらが現れた。
そして
『おまえが好きやねん。
  応えられへんのやったら
 もう二度と会われへん』
と一方的に欲望をぶつけてきてー


懐かしいアイツらに
また会えた
っていう感じ。
先生の絵は
決して精密でも
美麗でもないんだけど
ちょっとした目線
台詞の間
大きな唇に
なんとも言えない
色気かあって
たまりません。
『あふれそうなプール』
もそうだけど
思春期の
ドロドロした
男の子の
期間限定の
欲情や侠気が
丁寧に表現されてて
大好きな作家様です。

今回
成長した二人が
再会して
お互いの
恋ゴコロを
意識し始めるところなんて
最高に石原節。
決して、ウジウジしない
むしろ
やったろうじゃん!
っていう
スパーっと
思い切りのいい
受の
きっぷの良さが
たまりません。
そして、攻である
とら君は
ガタイはでかくて
男臭さムンムンなんだけど
少しさくらちゃんに
主導権譲ってあげてる風の
余裕のある男らしさも
たまりません。
どっちもヘタレてない
どっちも漢なやつらです。

こんかいのストーリーは
二人の恋が動き出すと共に
とらが所属する
組の襲名式に絡んで
サブカップルの
アダルトカプ
(ヤクザ幹部×ホストクラブ代表)
の腐れ縁にも
波乱が巻き起こりそうで
見逃せない一冊です。

そして
こんなに待たされて
びっくりなのに
12月には
いきなりの
完結編発売と
驚きです。


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ふゆの仁子
ビーボーイノベルズ
⭐️


歌舞伎の宗家跡取✖︎新進気鋭のカメラマン

歌舞伎もの
年下攻め
ヘタレ攻


シリーズ5作目
ですが、今作品だけでも
今回のストーリーにはついていけますが
やはり二人をよく知るには1作目からの読破をオススメします。

再び常磐屋の御曹司•彦三郎こと孝匡(攻)は、
新しい演目で壁にぶち当たり
プンスカスネまくって、
今回は懐の深い恋人の浅葱(受)に盛大に甘えて
当たりまくります。
 いつになくデリケートな孝匡は、
(しばらく会いたくない)
として、浅葱の前から立ち去ってしまう。
こんな二人でこの先も続けていけるのかと
懊悩する浅葱ー


なんだか
いつも『梨園の貴公子』の
ストーリーは
孝匡が、
歌舞伎の新しい演目に取り掛かり、
壁にぶち当たり
ふてくされ
年上の浅葱さんに
甘えて当たり
浅葱さんが耐えて
孝匡君が反省し
成長し
課題をクリアして
仲直りする
というのが
テンプレになってきたような…
この二人も
出来上がっちゃったから
なかなか
人気作とは言え
シリーズを継続するのは
難しいのかもね。

いろんな意味で今作
二人は本当に
この先もずーっと
一緒に生きていく事で
地固まった回のような気がしました。
その影で
孝匡君の同じ
歌舞伎界に
新しい後輩くんたちの
カプが生まれていて
スピンオフ作品でも
その二人が描かれていて
新しい展開が
今後産まれるのでしょうかね。

私は、これを一つの区切りとしようと思います。

イラストの円陣先生も
仕事が多いのか
イラストが
シンプルになっている気もしました。