人間関係を整える | 働きがいコンサルタント 仲井圭二の日記

働きがいコンサルタント 仲井圭二の日記

働くことを楽しくすれば、生活の質は確実に向上し、幸せな人生が実現できます。長年企業で働き、キャリアコンサルタント、コーチ、講師、整理収納アドバイザー、著者として活動している私がお手伝いします。

●つながれる人の数には限界がある

私達は多くの人達と関わっています。私達が生きるということは、人と関わるということです。自分がやったことが、他の人の役に立つ、他の人から助けられるといったことが、生きる喜びになっています。但し、直接つながって、心を込めた対応ができる人数は限られています。インターネットがなく、移動も限られていた時代は、自分の周辺の人としか接する機会はありませんでした。人間が周囲を認知できる能力が、その頃と比べて特に高くなったとは考えられません。従って、やたらに知り合いを増やしても、心からの付き合いは難しいのです。

 

小池龍之介さんの『しない生活』(幻冬舎新書)では、「つながりすぎない」という章を設けて、入ってくる情報が増えれば増えるほど、心が乱れると言っています。例を挙げてみます。メールを出したのに返信がないとイライラし、それが相手に対する怒りに変わることもあります。あるいは、自分の言い方がおかしかったのではないかという不安につながることもあるでしょう。

 

確かにつながり過ぎるのは考えものですが、今の便利な機能を否定してしまっては仕方ありません。他者と上手につながるにはどうしたら良いのでしょうか? 一緒に考えてみましょう。

 

●仕事関係のつながり

 仕事関係の相手に接する際には、個人的なつながりとは違うルールがあります。先ず、電話や携帯メールでの連絡は、営業時間内に限るということです。これは社内の関係も同じことです。従来は「24時間戦えますか?」の精神で仕事をするのが当たり前でした。波浪予測システムの運用を担当していた頃は、システムに不具合が発生すると、休日でも夜中でも電話が掛かって来て、電話の音にびくっとして飛び起きたものです。全く緊急でない用事で、時間外や、休日に電話を掛けて来る方もおられました。さすがに今の時代にはそのようなことは許されません。携帯メール以外の普通のメールすら、時間外はルール違反であるという考えもあります。

 

 会社に勤めていると、終業後は「本日の営業は終了しました」という音声が流れて、電話に出なくても良い場合もありますが、個人で仕事をしている方は、自分がどうするかを決める必要があります。個人で仕事をしていると、24時間365日営業していると思われがちですが、そんなことができるはずはありません。自分が対応できる範囲を明確にして顧客にそれを示すことが重要です。「時間外には対応しません」と言ったら顧客が減るのではないか? と心配する方もいるかも知れません。それも自分で判断するのです。

 

 仕事上のつながりは、まさに仕事でのつながりで、仕事を円滑に回すことが最大の目的です。仕事の相手と個人的にも仲良くなれればそれに越したことはありませんが、先ずは仕事をきちんとやること。誤解のないように言いますと、仕事関係の飲み会や接待、ゴルフといったものを、参加する方が楽しんでやるなら、おおいにやれば良いのです。しかし、仕事だからやらなければならないという圧力を感じて、いやいややっているのであれば好ましいことではないので、どうしたらやらなくて済むかを考えた方が良いでしょう。

 

 社内の飲み会や、社内旅行も同じです。従来は当たり前のように行なわれていて、社内の人間関係を良くする面があったことも否定はしません。しかし、最近は全員が参加することを義務付けている場合は必ずしも多くなく、コロナ禍の影響もあって、今後はますます少なくなるでしょう。いずれにしても、参加、不参加は自分で良く考えて決めてもらいたいものです。