俳優座研究生の「谷間の女たち」を観てきました。 | ケイジのB

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50歳を過ぎて、役者目指してただいま奮闘中です。

 俳優座研究生の「谷間の女たち」を観てきました。この芝居、初めて見ました。う~ん、難しい芝居でしたね。

 谷間にある村に男たちが一人もいないで、女だけなんです。そこから始まるのですが、そう言えば日本でも戦争の時に村から男が出兵でいなくなった話を聞いていましたが、きっとこんな感じだったのかも知れない、と思いました。
 帰ってくる男は、死体か、精神的に病んでしまった男で、このお芝居では、その死体が誰だか分からないというところで、余計に悲惨さ表現しています。
 いつかまた戦争が起これば、自分の身の回りの人が戦地に行くことになり、同じような事が起こるかも知れない。そう考えると、いたたまれないですが、このお芝居は、隊長側の心理的苦悩も描いており、立場によって違うけど、戦争による不要な苦悩が描かれている。
 『概要』
 南米チリにおいて、「9・11」と聞けば73年の「軍事クーデター」の日として記憶されている。70年に樹立したサルバトル・アジェンデ政権は、南米で自由選挙によってはじめて政権を握った社会主義政党だった。アジェンデが行った農地の国有化、社会保障の拡大などの政策は、決して順調ではなかったが、国民は希望を持っていた。だが、アジェンデ政権に反発する富裕層や軍部は、クーデターを決行、暴力で政権を転倒させた。代わって権力の座に就いたのは、陸軍総司令官アウグスト・ピノチェトである。政権を握った軍部は、自らの政策にそぐわない「左翼思想」の多くの市民を虐殺していった。当時人気のあった歌手もサッカースタジアムで射殺された。他にも多くの市民が強制収容所に送られた。この物語は、その記憶に基づき、作者が二十年の歳月をかけて完成させたものである。
 《物語》
 河のそばで女たちが洗濯をしている。
この村には男がいない。
 谷間のある村で男たちが行方不明になる。男たちを待ち続ける谷間の女たち。
そんな中、川のほとりで男を待つ女がたった一人。
 そこに村の革命を求めて隊長がやってくる。
過去を忘れて未来へ進もうとする隊長と男を返して欲しい女たち。
 ある日、谷間の河に誰とも分からぬ男の死体が流れ着く。
 ソフィア「あたしは父を埋める許可をもらうために来たんです」
谷間の女たちの静かな、そしてしたたかな闘いが始まる。
 死体をめぐり双方の思いが交差していく。
ファシズムの人権侵害に抵抗する女たちの闘いを描いて全世界に衝撃を与えた問題作!