『月』観てきました。 | ケイジのB

ケイジのB

50歳を過ぎて、役者目指してただいま奮闘中です。

 『月』観てきました。きつかった。本当にきつかった。やっていることが悪い事なのに、さとくん、の言っていることが正論に聞こえてしまうからなのか、、、。それでも私はあなたを認めない、と言った洋子の言葉が、胸に刺さった。磯村君と宮沢りえさんが対峙する長いシーンでの台詞のやり取りは、ほんとにきつかったし、考えさせられた。

 2016年に神奈川県の精神障がい者施設で実際に起きた事件を題材に描かれた作品の映画化で、同様の『ロストケア』と言う映画もあるが、それよりヘビーだと感じた。主観ですが、『ロストケア』には、まだ救いがあるような気がしたが、『月』には、根底に生産性?!経済?!を求めるがゆえに冷徹さと感じました。


 神奈川県の精神障がい者施設の植松聖は、どんな人間だったのだろうか?!初めからそうだったのか?!施設に入ってからそうなったのか?!だとするの何が彼を変えたのか?!とても気になったが、映画ではそれはあまり描かれていなかったのがちょっと残念だった。 

 映画の中で、「人は何のために生まれてくるのか」と言う言葉が何回か出てきますが、その答えって必要なのだろうかと思う。いや、その問いさえもいらないのではないだろうか?!なぜならそれを前提として、人は生まれてくるのではないからだ、と僕は思います。能登の震災の後にこの映画を見ていろいろと考えさせられました。僕の好きな言葉に「鳥のように、花のように生きる」と言う言葉があります。誰もがそんな生き方ができるような社会になったら、、、、。と思いました。

 《概要》

 実際の障害者殺傷事件を題材にした辺見庸による同名小説を原作に「茜色に焼かれる」の石井裕也監督が映画化。重度障害者施設で働き始めた元・作家の堂島洋子。職員による入所者への心ない扱いや暴力を目にする洋子だったが、それを訴えても聞き入れてもらえず……。出演は「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえ、「PLAN75」の磯村勇斗、「翔んで埼玉」の二階堂ふみ、「658km、陽子の旅」のオダギリジョー。

 《ストーリー》

 “書けなくなった”元・有名作家の堂島洋子(宮沢りえ)は、彼女を“師匠”と呼ぶ夫・昌平(オダギリジョー)とともに慎ましく暮らしている。そんなある日、洋子は深い森の奥にある重度障害者施設で働き始める。施設職員の同僚には作家を目指す坪内陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らがいた。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにするが、それを訴えても聞き入れてはもらえない。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんであった。正義感や使命感が彼の中で怒りを伴う形で増幅してゆくなか、ついにその日がやってくる……。