たまらなく孤独で、熱い街 -75ページ目

『ジェイコブを守るため』 ウィリアム・ランデイ

ジェイコブを守るため (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ジェイコブを守るため
著者:ウィリアム・ランデイ

訳者・後書:東野 さやか

(ハヤカワ・ポケットミステリ)

初版:2013年7月15日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

2012年の作。

殺人の嫌疑で逮捕された息子のジェイコブを守るため、父親は必死になって真犯人を捜そうとするが、母親は次第に息子が信じられなくなる。

そして父親にも秘密があった。

『ボストン、沈黙の街』もそうでしたが、とにかく丁寧に書かれていてとにかく長い。

途中で腰砕けみたいになった気がしたが、作者が書きたかったのは「その後」なのだろうか。

作者名は「ランディ」かと思ったらLANDAYだから「ランデイ」なのね。



『時を生きる種族~ファンタスティック時間SF傑作選~』 中村 融・編

時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫)

時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選)
編者・後書: 中村 融

(創元SF文庫)

初版:2013年7月26日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

「真鍮の都」(1965) ロバート・F・ヤング (訳:山田順子)

「時を生きる種族」(1964) マイケル・ムアコック (訳:中村融)

「恐竜狩り」(1956) L・スプレイグ・ディ・キャンプ (訳:中村融)

「マグワンプ4」(1959) ロバート・シルヴァーバーグ (訳:浅倉久志)

「地獄堕ちの朝」(1959) フリッツ・ライバー (訳:中村融)

「緑のベルベットの外套を買った日」(1958) ミルドレッド・クリンガーマン (訳:中村融・橋本輝幸)

「努力」(1947) T・L・シャーレッド (訳:中村融)

-----------------------------------

「真鍮の都」や「恐竜狩り」それに「緑のベルベットの外套を買った日」ではもう楽しめないしワクワクもしなくなってしまった。

表題作は唸りました。

「マグワンプ4」は覚えてないけどタイトルや電話の混線あたりがかすかに記憶にあるので再読かも。

「地獄堕ちの朝」は難儀ですね。

そして巻末作。

タイトルも作者名も完全に忘却の彼方でしたが、これは昔SFマガジンかアンソロジーで読んだではないか。

現在過去のどの時間もどの場所も見ることができる機械があったら、あなたはどう使いますか。

最初は上手いことやってるなくらいに思ってたら、次第に恐ろしいことに。

まごうことなき傑作です。

しかも1947年の作というから恐れ入る。

これ一作だけで元が取れるどころか、お釣りがジャラジャラですわい。

中村融さん、いい仕事してますね。



『HEARTBLUE』 小路 幸也

HEARTBLUE (創元推理文庫)

HEARTBLUE
著者:小路 幸也

解説:大矢 博子

(創元推理文庫)

初版:2013年5月24日

(2007年12月に東京創元社より刊行)

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『僕は長い昼と長い夜を過ごす』を読み終えてからしばらく経ったある日、書店で創元の日本人作家の棚をボケッと見てたら同じ作者のこの本が。

どんなものかと解説を見たらいきなり「それにしても『HEARTBEAT』は傑作だった」との大矢博子解説委員の文章。

これだけで2冊とも買っちゃうので単純と言えば単純だな。

『僕は…』の良い印象が残っていたのでしょう。

しかし実際に読んだのは購入してから1年以上経過してからであった。

魔法が解けていたのかも。

 

前作で「彼」を助けた(あるいは関わった)人物が複数登場。

舞台はニューヨークで、少女の失踪から幕を開ける。

『HEARTBEAT」からさらに半年経過してから読んだので登場人物の印象が薄い。

前作で何が衝撃かというと、「彼」自身でなく巡矢の方だった気がするし、それは覚えてたのでなんとなくノリが悪かった。







『図書室の魔法』(上・下) ジョー・ウォルトン

図書室の魔法 上 (創元SF文庫)

図書室の魔法 上
著者:ジョー・ウォルトン

訳者:茂木 健

(創元SF文庫)

初版:2014年4月30日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

図書室の魔法 下 (創元SF文庫) 図書室の魔法 下
著者:ジョー・ウォルトン

訳者:茂木 健

解説:堺 三保

(創元SF文庫)

初版:2014年4月30日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

2011年の作。

《ファージング》3部作の作者によるファンタジー。

主人公の少女・モリが読むSF小説(本当は単に「SF」としたいところだが)の数々は興味を惹かれるが、物語自体はそれほど捻ったものではない。

しかし、主にSFを通じてモリの世界が開けてゆくのは、実に心地よかったです。

魔女に見立てられた母親がいささか可哀想ではあったが。


『先導者』 小杉 英了

先導者 (角川ホラー文庫)

先導者
著者:小杉 英了

解説:池上 冬樹

(角川ホラー文庫)

初版:2014年10月25日

(2012年10月に角川書店より刊行)

Amazonで詳しく見る by G-Tools

迷った末に購入を決めたのは遠田志帆さんの表紙が実に良かったから。

印象としては『名探偵コナン』の灰原哀に似てなくもないが。

 

死者の魂を導く特異能力を持つ者。

導くときには仮死状態になる先導者の、まさに自らの死を賭す過酷さに震える。

だが無垢なる者が先導されるわけではないし、善意なる者たちが先導者を操っているのでもない。

文体が主人公の諦念さに合っている感じ。

そして諦念で思い出したのが『わたしを離さないで』だが、断然『先導者』の方が好きだな。

まあ、諸手を挙げて傑作かと言うと微妙ではあるが。





『密室殺人ゲーム2.0』 歌野 晶午

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

密室殺人ゲーム2.0
著者:歌野 晶午

解説:杉江 松恋

(講談社文庫)

初版:2012年7月13日

(2009年8月に講談社より刊行)

Amazonで詳しく見る by G-Tools

前回のラストからどうなったかな、と思ったらあれれ。

リセットされたというか背景に押しやられたというか。

今回の「トリ」のためにかな。

それにしても前回は嫌悪感が先立ったものだが、今回はそうでもない。

慣れというのは恐ろしいものだ。

このシリーズはここまでにして、この作者の違う話も読みたくなったので2冊購入。

そのうちに読もうかね。



『魔女の子供はやってこない』 矢部 嵩

魔女の子供はやってこない (角川ホラー文庫)

魔女の子供はやってこない
著者:矢部 嵩

(角川ホラー文庫)

初版:2013年12月25日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

やっぱり合わないな。

ハッとするところもあるし全体に悪くはないけど、文体というかセリフというか、どうも読んでて引っかかる。


『ウール』(上・下) ヒュー・ハウイー

ウール 上 (角川文庫)

ウール 上
著者:ヒュー・ハウイー

訳者:雨海 弘美

(角川文庫)

初版:2013年9月25日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

ウール 下 (角川文庫) ウール 下
著者:ヒュー・ハウイー

訳者:雨海 弘美

解説:大森 望

(角川文庫)

初版:2013年9月25日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

2013年の作。

『シフト』も購入したので、そろそろかなと読む。

最初は『最後から二番目の真実』のパターンかと思ったら違った。

毒ガスで生きることができない地上。

だれが作ったのか地下144階ものサイロ。

世界はその中で循環しているが、外へ出たいと思う人はいつでもいるものだ。

特に目新しいアイデアもありませんが、ワクワクして読めました。

かなり映像を意識して書かれたような感じもしますが。

『全滅領域』の「塔」が、この「サイロ」と同じものなら面白いなと思いましたが、そんなことはないですね。



『ウは宇宙ヤバイのウ!~セカイが滅ぶ5秒前~』 宮澤 伊織

ウは宇宙ヤバイのウ! ~セカイが滅ぶ5秒前~ (一迅社文庫)

ウは宇宙ヤバイのウ! ~セカイが滅ぶ5秒前~
著者・後書:宮澤 伊織

(一迅社文庫)

初版:2014年1月1日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

「どたばたSFアクションコメディ!」だそうです。

実に楽しいですね。

楽しさにドップリ浸れるかというとビミョーですが。

根底には「SF愛」が流れていると思うが、もう少し違った形で表現されたのを読みたいものだ。



『クラーケン』(上・下) チャイナ・ミエヴィル

クラーケン(上) (ハヤカワ文庫SF)

クラーケン(上)
著者:チャイナ・ミエヴィル

訳者:日暮雅通

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2013年7月25日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

クラーケン(下) (ハヤカワ文庫SF) クラーケン(下)
著者:チャイナ・ミエヴィル

訳者・後書:日暮雅通

(ハヤカワ文庫NV)

初版:2013年7月25日

Amazonで詳しく見る by G-Tools

2010年の作。

舞台は『アンランダン』がロンドンと隣接している裏ロンドンなら、こちらはロンドンと重なり合っている異界のロンドン。

展示されているダイオウイカが消失ということでミステリ的なものかと思ったら、魔術を持つ人々の静かなるバトル。

なんとなく危機らしきものは見えるのだが、なにしろ起承転結の承が長々と続いて。

決して面白くなくはないのだが、登場人物も多岐にわたるし読むのに骨が折れた。