たまらなく孤独で、熱い街 -74ページ目

『もっと厭な物語』 文藝春秋編集部・編

もっと厭な物語 (文春文庫)

もっと厭な物語
編者・解説:文藝春秋編集部

(文春文庫)

初版:2014年2月10日

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「第三夜」(『夢十夜』より) 夏目漱石

「私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書」 エドワード・ケリー 古屋美登里・訳

「乳母車」 氷川瓏

「黄色い壁紙」 シャーロット・パーキンズ・ギルマン 小山太一・訳

「深夜急行」 アルフレッド・ノイズ 古屋美登里・訳

「ロバート」 スタンリイ・エリン 永井淳・訳

「皮を剥ぐ」 草野唯雄

「恐怖の探求」 クライヴ・バーカー 大久保寛・訳

「赤い蝋燭と人魚」 小川未明

「著者謹呈」 ルイス・パジェット 植草昌実・訳

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『厭な物語』の第二弾。

日本人作家は既読もあるけど、夏目漱石を筆頭にどれもいいですね。

「私の仕事の・・・・」は一緒に怒るべきか笑うところか。

ちゃんとしたストーリーがあるものよりも、漠然とした不安さを醸し出すものの方が読んでて落ち着かなくてよい。

全体としては、前巻の方が新鮮味もあって印象に残るかな。



『Mystery Seller』 新潮社ミステリーセラー編集部・編

Mystery Seller (新潮文庫)

Mystery Seller
編者:新潮社ミステリーセラー編集部

(新潮文庫)

初版:2012年2月1日

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「進々堂世界一周 戻り橋と悲願花」 島田荘司

「四分間では短すぎる」 有栖川有栖

「夏に消えた少女」 我孫子武丸

「柘榴」 米澤穂信

「怖い映像」 竹本健治

「確かなつながり」 北川歩実

「社の囚人」 長江俊和

「失くした御守」 麻耶雄嵩

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一番楽しめたのは有栖川有栖かな。

島田荘司は、細かいところで色々と「?」が。

我孫子武丸のは、最近は人物名は記号と思って読んでいるから衝撃なし。

米澤穂信は毒が足りない。

竹本健治は、もう少しだな。

北川歩実は、何をかいわんや。

長江俊和は、途中から白けたし最後はどっちらけ。

麻耶雄嵩は、コミカルで面白いところもあった。

上から目線でごめんなさい。


『鳥』 ダフネ・デュ・モーリア

著者:ダフネ・デュ・モーリア

訳者:鳴海 四郎

解説:S

(ハヤカワ・ポケットミステリ)

初版:1963年?

(4版:1972年12月31日)

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「鳥」

「瞬間の破片」

「動機なし」

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ヒッチコックの『鳥』をTVの映画劇場で見たのはずいぶん昔になるが、ところどころは覚えている。

原作は海辺の貧しそうな一家の物語だが、それが至って緊迫感を醸している。

「瞬間の破片」は最後まで女主人公が状況を把握できてなくて(まさかタイムスリップしたなんて理解できないよな)苦笑しつつもいらつく。

「動機なし」は、これほど幸福な夫婦はいないと思われていた若奥さんが突然の拳銃自殺。

そうなのだよ、真相を暴くだけが正義ではないのだ。

なかなかの好短篇揃いでしたが、もしかして創元辺りでも読めるかも。

『夜に消える』 ハワード・ブラウン

夜に消える

著者:ハワード・ブラウン

訳者:村上 博基

解説:小鷹 信光

(ハヤカワ・ポケットミステリ)

初版:1965年?

(再版:1985年11月10日)

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1954年の作。

避暑地から長距離運転で深夜2時にようやく帰宅。

だが、先に家に入ったはずの妻は忽然と消えてしまっていた。

警察が頼りにならないと考えた夫は広告会社役員という立場を使って、大捜査網を展開するが。

序盤はどうなるのだろうと期待したが、次第にきな臭くなって最後はハードボイルド。

悪いとは言わないが、もう少しスマートな展開や解決が待っているかと思っていたので意外と言えば意外な結末。


『スミソン氏の遺骨』 リチャード・T・コンロイ

スミソン氏の遺骨 (創元推理文庫)

スミソン氏の遺骨
著者:リチャード・ティモシー・コンロイ

訳者・後書:浅倉 久志

(創元推理文庫)

初版:1999年11月26日

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1993年の作。

訳者が浅倉久志さんということで購入。

スミソニアンというと博物館というイメージでしたが、世界有数の学術機関だそうな。

その中で起こる殺人というか奇怪な死体処理。

ユーモアミステリの衣をまとっているので、おどろおどろしさはありませんが。

なにしろ犯人が表面に出てこないので状況証拠だけみたいな不満が残る。


『春から夏、やがて冬』 歌野 晶午

春から夏、やがて冬 (文春文庫)

春から夏、やがて冬
著者:歌野 晶午

解説:榎本 正樹

(文春文庫)

初版:2014年6月10日

(2011年10月に文藝春秋より刊行)

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タイトルに惹かれて購入。タイトルは大事ですね。

『密室殺人ゲーム』に比べればリアルっぽいけど、読み終えると不自然さということではどっちもどっち。

前半はこの話はどう展開して終わるのだろうと思いながら期待半分で読んでたが、彼女のケータイに保存されていたというメールが余りに長すぎて白けた。

それ以降はどうでもよくなったな。


『天冥の標 Ⅷ ジャイアント・アーク』(全2巻) 小川 一水

天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1 (ハヤカワ文庫JA) 天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1
著者:小川 一水

年表・人物・用語集

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2014年5月25日

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天冥の標VIII  ジャイアント・アーク PART2 (ハヤカワ文庫JA) 天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2
著者:小川 一水

年表・人物・用語集

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2014年12月25日

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第1巻を読み返そう読み返そうと思いつつも、8巻に突入。

とうとう第1巻に追いついたというか、イサリの視点での振り返り?

300年の時を経て甦ったイサリ。

彼らは《救世群》を相手に持ちこたえたということか。

さらに謎は深まる。

それにしても、これから先をどう持っていくかも気になるが、ある意味「幻魔」のような「かの者」も気になる。

まさか冥王班が「かの者」を撃退するワクチンになるとか(想像力が貧困すぎるな)。

セレスはどこへ向かっているのだろう。

嗚呼、待ちきれない第9巻。



『最後の紙面』 トム・ラックマン

最後の紙面 (日経文芸文庫)

最後の紙面
著者:トム・ラックマン

訳者・後書:東江 一紀

(日経文芸文庫)

初版:2014年3月5日

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2010年の作。

ローマの(架空の)英語版国際新聞の創設から廃刊までの50年。

それに関わった11人の人生の断面を描いた連作短編集。

出だしは好調で期待が持てたが、次第にウンザリしてきた。

男女の機微が分からん奴(私のこと)にとっては、その手の話は苦痛以外の何者でもないのです。

【読書メーター】 2015年1月分

いよいよプロ野球がキャンプ・イン。

 

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5812ページ



クトゥルフ少女戦隊第ニ部 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ) クトゥルフ少女戦隊第ニ部 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)感想
チマチマと読むつもりが、強烈なドライブ感で一気に読んでしまった。 これほど読者をワクワクさせる本はそうはないんじゃないかな。 頭の中は「何故少女戦隊?」「何故ゴキ○リ?」と「?」の嵐だが、とにかく山田節炸裂でページをめくる手がとまらない。 多くの人に読んでもらって(その前に買ってもらって)、作者にはこの鉱脈をどんどん掘り進んでもらいたいなあ。 ああ、これでまたしばらくは山田正紀の新刊が読めない寂しさ。 272ページ
読了日:1月1日 著者:山田正紀
クラーケン(上) (ハヤカワ文庫SF) クラーケン(上) (ハヤカワ文庫SF)感想
上巻は12月中には読んだけど、下巻もなんとか読み終える目途がついたので登録。 『アンランダン』では表ロンドンと裏ロンドンが隣接してたが、こちらは重なり合ってる。 展示されていたダイオウイカの標本が消えた辺りではミステリかと思ったら、魔術が跋扈する世界に。 パロディ的な要素もありそうだが、いかんせん起承転結の「承」が延々と続き、独特な雰囲気も相まって読むのに骨が折れる。 432ページ
読了日:1月3日 著者:チャイナ・ミエヴィル
クラーケン(下) (ハヤカワ文庫SF) クラーケン(下) (ハヤカワ文庫SF)感想
いつまで続くのか、減らない残りページにうんざりしたこともありましたが、作者がコメディと言っているようなので、『アンランダン』を少し複雑にしたようなコメディと思って読めばいいのだろうか。 448ページ
読了日:1月5日 著者:チャイナ・ミエヴィル
ウは宇宙ヤバイのウ! ~セカイが滅ぶ5秒前~ (一迅社文庫) ウは宇宙ヤバイのウ! ~セカイが滅ぶ5秒前~ (一迅社文庫)感想
「どたばたSFアクションコメディ!」だそうです。 実に楽しいですね。 楽しさにドップリ浸れるかというとビミョーですが。 根底には「SF愛」が流れていると思うが、もう少し違った形で表現されたのも読みたいものだ。 302ページ
読了日:1月7日 著者:宮澤伊織
ウール 上 (角川文庫) ウール 上 (角川文庫)感想
『シフト』も購入したので、そろそろかなと読む。 最初は『最後から二番目の真実』のパターンかと思ったら違った。 毒ガスで生きることができない地上。 だれが作ったのか地下144階ものサイロ。 世界はその中で循環しているが、外へ出たいと思う人はいつでもいるものだ。 特に目新しいアイデアもありませんが、ワクワクして読めますね。 ふと思う。 『全滅領域』の「塔」は、まさにこの「サイロ」だったのか!(んな訳ねーし)。 351ページ
読了日:1月9日 著者:ヒュー・ハウイー
ウール 下 (角川文庫) ウール 下 (角川文庫)感想
読んでいると画像が目に浮かぶようで、映像化も意識して書かれたのかも。 ラストは急転直下でしたが、楽しく読み終えました。 366ページ
読了日:1月11日 著者:ヒュー・ハウイー
魔女の子供はやってこない (角川ホラー文庫) 魔女の子供はやってこない (角川ホラー文庫)感想
3冊も読んどいてなんだが、やっぱり合わないな。 ハッとするところもあるし全体に悪くはないけど、文体というかセリフというか、どうも読んでて引っかかる。 330ページ
読了日:1月13日 著者:矢部嵩
密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫) 密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)感想
前作のラストからどうなったかな、と思ったらあれれ。 リセットされたというか背景に押しやられたというか。 今作の「トリ」のためにかな。 それにしても前作は嫌悪感が先立ったものだが、今作はそうでもない。 慣れというのは恐ろしいものだ。 このシリーズはここまでにして、この作者の違う話も読みたくなったので2冊購入。 そのうちに読もうかね。 624ページ
読了日:1月15日 著者:歌野晶午
先導者 (角川ホラー文庫) 先導者 (角川ホラー文庫)感想
迷った末に購入を決めたのは遠田志帆さんの表紙が実に良かったから。 印象としては『名探偵コナン』の灰原哀に似てなくもないが。 死者の魂を導く特異能力を持つ者。 導くときには仮死状態になる先導者の、まさに自らの死を賭す過酷さ。 だが無垢なる者が先導されるわけではないし、善意なる者たちが先導者を操っているのでもない。 文体が主人公の諦念さに合っている感じ。 そして諦念で思い出したのが『わたしを離さないで』だが、断然『先導者』の方が好きだな。 まあ、諸手を挙げて傑作かと言うと微妙ではあるが。 256ページ
読了日:1月17日 著者:小杉英了
図書室の魔法 上 (創元SF文庫) 図書室の魔法 上 (創元SF文庫)感想
主人公の少女・モリの境遇は別として、読んだ本を並べられると、本の感想は作者の思いかなと思ってしまう。 35年近く昔の話なので、今だったらミエヴィルなどが俎上に挙がるかも。 メインの部分はモリの現実かも知れないし、妄想かも知れない。 301ページ
読了日:1月19日 著者:ジョー・ウォルトン
図書室の魔法 下 (創元SF文庫) 図書室の魔法 下 (創元SF文庫)感想
主人公の少女・モリが読むSF小説(本当は単に「SF」としたいところだが)の数々には興味を惹かれたが、物語自体はそれほど捻ったものではない。 しかし、主に本(特にSF)を通じてモリの世界が開けてゆくのは、実に心地よかった。 魔女に見立てられた母親がいささか可哀想ではあったが。 286ページ
読了日:1月21日 著者:ジョー・ウォルトン
HEARTBLUE (創元推理文庫) HEARTBLUE (創元推理文庫)感想
前作で「彼」を助けた(あるいは関わった)人物が複数登場。 舞台はニューヨークで、少女の失踪から幕を開ける。 『HEARTBEAT」から半年経過して読んだので登場人物の印象が薄い。 前作では何が衝撃だったかというと、「彼」自身でなく巡矢の方だった気がするし、それは覚えてたのでなんとなく読んでてノリが悪かった。 失踪少女の顛末もなんだかな。 398ページ
読了日:1月23日 著者:小路幸也
時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫) 時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫)感想
巻末の「努力」に尽きますね。 タイトルも作者名も完全に忘却の彼方でしたが、これは昔SFマガジンかアンソロジーで読んだではないか。 現在過去のどの時間もどの場所も見ることができる機械があったら、あなたはどう使いますか。 最初は上手いことやってるなくらいに思ってたら、次第に恐ろしいことに。 まごうことなき傑作です。 しかも1947年の作というから恐れ入る。 これ一作だけで元が取れるどころか、お釣りがジャラジャラですわい。 中村融さん、いい仕事してますね。 362ページ
読了日:1月25日 著者:中村融(編)
ジェイコブを守るため (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) ジェイコブを守るため (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
殺人の嫌疑で逮捕された息子のジェイコブを、父親は必死になって庇おうとするが、母親は次第に息子が信じられなくなる。 そして父親にも秘密があった。 『ボストン、沈黙の街』もそうでしたが、とにかく丁寧に書かれていてとにかく長い。 途中で腰砕けみたいになった気がしたが、作者が書きたかったのは「その後」なのだろうか。 作者名は「ランディ」じゃないかと思ったが、“LANDAY”だから「ランデイ」なのね。 523ページ
読了日:1月28日 著者:ウィリアム・ランデイ
2 (メディアワークス文庫) 2 (メディアワークス文庫)感想
最原最早の登場で、『[映]アムリタ』の続編かと思ったら、そんなもんじゃなくて前5作を踏まえた「第1期野﨑まど総集編」のような趣。 過去作のキャストが絡んだりしながら映画を撮り終えるまでは前ふり。 ラスト100ページほどから、野﨑マジックが次々に炸裂。 そしてそして、最原映画を見た人は変容する。 しかししかし、いきなり※※と言われても「お前、会ったことあるんかい」とツッコみたくなってしまうが、さらなる高みを所詮は人間である最原最早は見ることができるのだろうか。 561ページ
読了日:1月30日 著者:野崎まど

読書メーター

『2』 野﨑 まど

2 (メディアワークス文庫)

2
著者・後書:野崎 まど

(メディアワークス文庫)

初版:2012年8月25日

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最原最早の登場で、『[映]アムリタ』の続編かと思ったら、そんなもんじゃなくて前5作を踏まえた「第1期野﨑まど総集編」のような趣。

過去作のキャストが絡んだりして映画を撮り終えるまでは前ふり。

ラスト100ページほどから、野﨑マジックが次々に炸裂。

そしてそして、最原映画を見た人は変容する。

しかししかし、いきなり○○と言われても「お前、会ったことあるんかい」とツッコみたくなってしまうが、さらなる高みを所詮は人間である最原最早は見ることができるのだろうか。